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渡邊凌磨「また新潟でプレーしたいと思う。自分の肌に合った土地だった」【2023 J1第10節 FC東京vs.新潟 Preview Part4/無料公開】

 

撮影:後藤勝


 FC東京にけが人が続出していた3月からこの4月にかけて、アルベル監督がその不在を嘆いていたひとりが渡邊凌磨だった。無理もない。試合の実況でも「アルベルサッカーの申し子」と言われるほどアルベル監督のやりたいことを2022シーズンのチーム立ち上げから理解してピッチ上で具体化し、そのうえで自らの個としての輝きを放つ数少ない存在。指揮官が復帰を待ち望んでいたのもよくわかる。
 
 4月9日のJ1第7節の湘南ベルマーレ戦で復帰して以降、ルヴァンカップEグループ第4節のガンバ大阪戦を含め、渡邊が出場した東京の公式戦は2勝1敗1分と結果が上向いている。“逆襲”を牽引する力になっていることは間違いない。
 
 そんな渡邊はアルベル監督や小泉慶とともに、味スタ開催の第10節で迎え撃つアルビレックス新潟を知るひとりでもある。ドイツから帰国したあと、日本で最初に所属した古巣に対する想いとは──。
 
◆自分には合っていた
 
「すごく楽しかったし、また新潟でプレーしたいと思う。自分の肌に合った土地だった。東京みたいにガヤガヤと都会すぎず、田舎すぎず、ごはんがおいしくて。それが自分には合っていた(大勢のサポーターがやってくるが?)挨拶に行きたいと思います」
 
 2018シーズンからの2シーズンを新潟で過ごした。Jリーガーとしてのキャリアを始め、日本に順応していくにはちょうどいい、恵まれた環境だっただろうことは想像に難くない。一方で、ピッチ内で欧州との差異を感じることもあった。
 
「初めてのJリーグだったので、いろいろ学べたシーズンでした。通用する通用しないではなく、Jリーグというのはこういうものなのかというのをいい意味でも悪い意味でも感じた2年間。みんな巧いし、技術的にすごく高いけど、スピード的にはそんなに速くないというのが印象的でした。戸惑ったのはその点かなと」
 
 渡邊がモンテディオ山形へと移籍したあと、アルベル監督が方向を変え、松橋力蔵監督と伊藤涼太郎が完成度を高めた新潟は、ショートカウンターの特長は維持しつつも巧さの権化のようなサッカーに到達しつつある。対して東京は、新潟ほどの技巧は感じられないが、スピードとパワーがある。ある意味で、渡邊が歩んできたサッカー人生を凝縮するような対決と言えるのかもしれない。
 
「最初からボールを握られるかたちでは行きたくない。前から守備に行って、嵌めて、東京らしいかたちで守備が出来てボールが保持出来ればいいと思うし、それが広島のときはなかなか出来なかったけど、結果、勝てているので。勝ちにこだわりながら、自分たちがやるべきことをやれればと思っています」
 
 ボールを動かしたい新潟を、前からのプレスで封じていけるのか。前から行くにも後方で構えるにも、守備が生命線となるこの試合。渡邊凌磨の頭を使ったサッカーが勝敗の鍵を握る。
 
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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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