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12年ぶりの東京ダービーは劇的な幕切れ。FC東京、ヴェルディを下しラウンド16進出決定~木村誠二と一問一答【天皇杯3回戦 vs.東京ヴェルディ News/無料公開】

 

「東京は青と赤です」で会見冒頭の総括を締めたピーター クラモフスキー監督。

サポーターの声は聞こえているぞ、と。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

 7月12日、FC東京は味の素スタジアムで天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦に臨み、東京ヴェルディと対戦。前半20分、塚川孝輝の豪快な右足シュートが決まって先制したが後半25分、東京ヴェルディユースの白井亮丞のヘディングシュートで同点に追いつかれて1-1に。90分間では決着がつかず、延長戦でも無得点。試合としては引き分けの結果となり、PK方式による次ラウンド進出決定にもつれ込んだ。双方、8人目までが成功し、先攻の東京は9人目の東慶悟も成功。そのウラ、ヴェルディは背番号15の千田海人が蹴ったが、このシュートが東京の守護神ヤクブスウォビィクの残した足に当たってゴールならず。ラウンド16進出が確定するや否や、“クバ”を先頭に東京の選手たちがいっせいにゴール裏へと駆けていき、喜びをわかちあう。まるで野球のサヨナラ勝ちのように感情が爆発する光景に、ダービーマッチのなんたるかがあらわれていた。

胸のエンブレムを指し示した長友佑都。

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

 PK方式の5人目に登場した長友佑都は「多分ぼくはユベントスと、イタリアで2回ぐらい蹴ってるんだけど、ちゃんと決めてんだよ。そのときちゃんと見ていてくれた人は、ぼくがあのPKを蹴れるというのは知ってるんだけど、みんな多分見てないから、びっくりしたと思う。多分、相手もびっくりした。でも自信はあったんだ、けっこう」と、マテウスの読みを外したPKに秘めた自信を漏らした。

 全員成功に終わり、PKの巧さを印象づけた東京の選手たち。しかし天皇杯を控えたPKの練習で、唯一木村誠二が外していたという。そのおかげで10人目のキッカーに回っていた背番号47との一問一答は以下のとおり。

先発を果たした木村誠二。

◆木村誠二と一問一答

(ミックスゾーンを通り過ぎようとする木村を掴まえて東京番の記者がいるところに誘導)

──リーグ戦のメンバーの中で唯一変わって入ったが、どんな意気込みだったのか。

 もう、ヴェルディだけには負けられないって、それだけです。

──監督からはどんなことを言われたのか。

 いや、特に。いつも通りちゃんと頑張れみたいな。特に変わったことは言われなかったです。

持ち前のスピードで躍動した。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

──延長後半2分、速いカウンターを受けたときに相手と並走してついには先回りしたが。

 あれはもう、ぼくの特長のひとつなんで、スピードは。けっこう時間も経ってて、だいぶきつかった状態ではあるんですけど、いくら相手が交代で入ったフレッシュな選手だとしても、まあ、負けちゃいけないんで。そこはちゃんと予測も出来ていたし、走り負けもしなかったんで、そこは良かったかなと思っています。

──エンリケが脚をつったなかで……。

 いや、あれはひねったみたいです。つったわけではなかったので、ぼくが脚を伸ばそうとしたら「NoNoNoNoNo」と言われてめっちゃ怒られて。「あ、ごめん」みたいな。そのまま交代して。

──こういう難しい展開で、最後はPKまでもつれ、ゴール裏にみんなで駆け寄って喜びを分かち合った、その気持ちは。

 やっぱりダービーだったので、アカデミー育ちのぼくからしたら嬉しいですし、久しぶりの公式戦なので、90分では引き分けですけど、結果、勝って勝ち進んでいるので、カップ戦なので。そこは素直に喜んではいるんですけど、ちょっと後半、自分のプレーが落ちてきたところもあるので、そこはしっかり修正しつつ、また次の試合に向けて。すぐ週末に鹿島戦がある。また、頑張りたいと思います。

──ポジションを掴む、流れを変えるきっかけのゲームになったのでは。

 前半のプレーはけっこうよかったなと思うんですけど、後半ちょっと落ちてしまったのはマイナスの判断になるところだと思うので、そこをいかに消していけるか。ゲームにしばらく出ていなかったので、ゲーム勘がないと言ってしまえば。それはそうなんですけど、センターバックは途中、途中でスタメンを奪おうと思ったらそんな(確実にゲーム勘がない)状態だから、それも言い訳には出来ないですし。だからと言って、自分が準備してなかったわけではないので。そこにはちゃんと自信を持ちつつ、さっきも言ったんですけど、90分通していいプレーをつづけられるような練習をしています。

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

クバがPKを止めた。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

──PKに関しては10番目だったようだが。

 はい、昨日外したんで、練習で。2回蹴って外して。(東)慶悟さん決めて。今日はクバが全然止められてなかったから「(回ってきたら)ちょっとやばいなあ」と。もちろん蹴るときは強気に行こうと思ってたんですけど、いつも通り。ただ、さすがに。だいぶ緊張していました。止めてくれてよかったです。助かりました。

──ユースは何回かヴェルディとの対戦があったと思うが、長らくやっていなかったトップチームのダービーの感想は。

 天皇杯じゃないですか、平日の夜の。カップ戦だから。入っても1万人と少しくらいかなと思っていたんですけど、東京のサポーターはたくさんいて、すごく雰囲気をつくってくれるし、煽ったりもしているし、ダービーならではの雰囲気だと思う。そこはすごく楽しかったですし、サポーターも試合後、最後に周るときに見ていた感じではすごく喜んでくれていたので、それはすごくよかったなと思います(※取材が始まった長友佑都への移動を促す)。



セットプレーはコーチ陣が担当。PKの練習にも携わった佐藤由紀彦コーチが最後の戦いを見つめ、ピーター監督と抱擁。

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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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