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鈴木準弥、自分のよさを出していく。「自分の強みを出すための判断を思い切りすれば味方も合わせやすい」【天皇杯2回戦 vs.福島ユナイテッドFC Preview02/無料公開】

 

撮影:後藤勝


 FC東京の天皇杯初戦となる2回戦、サイドバックは右に鈴木準弥、左に徳元悠平となることが濃厚だ。となると、やはり気になるのはロングスローの共演。鈴木は徳元と「お互いにやれればね」と話し合っているという。鈴木は「トクはいいときはファーサイドまで飛ぶ」と言い謙遜するが、実効性では遜色ないものを持っているはずだ。
 
 
徳元は自分専用のタオルを使っているが──と水を向けると、鈴木は「使ってやろうかなと思います」と破顔一笑。互いになんでも言い合える仲で、よくないこともいじり合って消化出来る間柄。明日は両サイドにボールを拭くタオルを置く事態になるのかもしれない。
 
◆思い切って行きたい
 
 鈴木と徳元はロングスロー以外にも、共にセットプレーのキックやクロスが得意という共通点がある。明日は前線にペロッチなどの強力なターゲットが配置されることが予想され、この“砲台”としての威力を発揮するタイミングとなる可能性が高い。背番号28はこう意気込みを語った。
 
「思い切って行きたいと思っています。いろいろな選手がいると思うので、そこに合わせていきたいなと思っています」
 
 フィードなりクロスなり、得意のキックを流れの中ではこういうタイミングで繰り出していけそうだというシミュレーションが出来ている。
 
「自分たちが監督の考えどおりにつないでいけば相手がボールを奪いに来ると思うので、来たときの背後のスペースだったり、たとえば自分のほうだったら右サイドでつくっているときの逆サイドのウイングの選手などが空いてくると思う。自分もチームの戦術のなかで短いパスで組み立てるところは外さないですけど、でもそれをしながら自分の強みを出すためにその選択をしているということは忘れず、明日の試合に入りたいと思っています」
 

撮影:後藤勝


 ここまでの練習試合を観たかぎりでは、中に入ったり、前後左右と絡み、かみ合わせるプレーがよくなってきていた。まずはそこをやったうえで、チャンスが来たら精度の高いキックを繰り出すというイメージがある。
 
「前の練習試合のときにも言ったかもしれないですけど、自分の強みを出すための選択だったり判断を自分が思い切ってすれば、味方もそれに合わせやすいと思いますし。自分が中途半端に味方に合わせようとしすぎると、味方も『どっちなんだろう』と思ったりすると思うので。仲間も自分の特長を捉えてくれていると思うから、自分のやり方のなかで
1個、状況が出来れば、アクションを起こしてくれると思うんです。本当に明日は自分が積極的にやるという姿勢を見せることが、前の選手や横の選手との関係の良さにつながってくるのだと思っています」
 
 ドイツから帰国後、2019シーズンと2020シーズンはJ3でプレー。かつて自分が磨きをかけていたカテゴリーの相手に負けたくないという想いも力になる。
 
「自分も3年前くらいまではJ3にいてそこからここまで来れたというのもありますし、そのなかで、なんとか自分のよさでちがいを見せることが出来れば。J3の選手のレベルがどうということではなく、相手と対峙したときに『やれるな』と相手に思わせたくないというのはあるので、思い切って行きたいなと思っています」
 
 1年半前から比べると、明確に成長を遂げている。現在のサッカーに適応する過程での変化なり成長が実感出来る試合にしたいところだ。
 
「もちろん、監督のサッカー、いまのFC東京のサッカーに順応していきながらの成長も大事です。アルベルになってからの1年半、考えながらやっていますし、苦しみながらやっていますけど、(公式戦に)出ている人はそのなかでも自分の色を出していると思うので、自分自身もチームとしてやることは最低限やりながら、自分のよさを出していかないと。明日の試合もそうですけど、今後自分がもうひとつ戦力として食い込んでいくには、そういうところが必要になると思います」
 
 鈴木は「明日もし悪いプレーをして今後はどうなっちゃう、ではなく、明日何が出来るかということだけに全力を注ぐだけという気持ち」と語った。おそらくほかの誰よりも、天皇杯の初戦にかける気持ちは強く、カテゴリーが下となる相手に対する油断はいっさいないだろう。キックオフから集中して東京のサッカーを遂行し、そして自分の武器を見せてくれることに期待したい。
 
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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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