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アルベル監督「明日ピッチに立つ選手一人ひとりにとってもとても重要であることを(各選手が)認識したうえで試合をスタートしてほしい」【天皇杯2回戦 vs.福島ユナイテッドFC Preview01/無料公開】

 

撮影:後藤勝


 6月7日、FC東京は味の素スタジアムで天皇杯2回戦に臨み、福島ユナイテッドFCと対戦する。このところ安定した様子を見せているアルベル監督は「昨日、レセプションパーティで直接イニエスタ選手にお別れの挨拶出来たので今日の試合(神戸vs.バルサ)を観に行く必要はありません」と述べ、集中した表情。選手にも特にキックオフ直後、プレーに集中することを求めていた。
 
「一昨年、FC東京は順天堂大学に敗れています。そして昨年も初戦で富士大学と戦いましたけれども、我々は苦しい戦いをしました。天皇杯ではそういうことが起こりうるとみなさんもご存知だと思います。当然、差はあります。ただ下のカテゴリーのチームは上のカテゴリーのチームに勝とうと思い、いつも以上にインテンシティの高いプレーをしてくる傾向があります。だからこそ試合は難しくなります。
 我々の選手も明日、しっかりと集中したかたちで、少なくとも相手と同じインテンシティで試合をスタートしなければいけないと思います。この、明日の試合がクラブにとっても、そして明日ピッチに立つ選手一人ひとりにとってもとても重要であることを認識したうえで、試合をスタートしてほしいです。明日の試合は間違いなく難しい試合になると思います」
 
◆いい心理状態で試合をスタートして戦うことが重要
 
 アルベル監督といスタッフは福島を、5バックで守備を固めつつボールを大切にする傾向があるとチームだと分析し「いいチームだという認識を持っています」と言う。実際、服部年宏監督のもと、3バックの端にボール扱いの巧い選手を置いてボールを保持する戦い方を好む傾向は変わっていない。直近のリーグ戦、Y.S.C.C.横浜戦でもたとえば前半13分に後方のビルドアップから右ワイドに出し、前線に対してタテのボールを入れた場面以降の時間帯のリズムを見ると、そこに福島の好むサッカーがあらわれているように映る。
 
 となると、この福島に対して強度の高い守備でボールを奪いに行くことも大事な要素となってきそうだ。アルベル監督はこう言っていた。
 
「いいプレスをしてそこから守から攻への切り替えというのは、常に試合のキーポイントのひとつになってくると思います。と同時に、自分たちのスタイルをどれだけ相手よりも表現出来るかが、やはり重要なキーポイントになってきます。適切なかたちでプレスをかけるということは相手チームが期待どおりにプレー出来ないことにつながりますし、いいプレスからいいかたちでボールを奪うことは我々の攻撃につながるので、ふたつの意味合いでもいい守備をしたいと思います」
 
 ただ戦い方、嵌め方だけでなく、近頃強調している根本のメンタルがより重要だという認識も明らかにした。
 
「もちろん試合では戦術の部分が重要になってきます。けれども、戦術以上に重要になってくるのが心理状態だと思います。試合が始まれば期待通りの試合展開になる場合もあれば、そうではない場合もあります。そのようなとき、どのような心理的影響を受けてどのように対応するかが重要になってきます。相手にとっていい展開が少しでもあれば彼らの心理状態はよりポジティヴになるでしょうし、そうすれば我々が試合に苦労してしまいます。そういう意味でもいい心理状態で試合をスタートして戦うことが重要になります」
 
 天皇杯の初戦やその次の試合で足もとをすくわれ、早期に敗退することが多い東京だが、さいわいにと言うべきか、いわゆるターンオーバーを敷く福島戦には、次のリーグ戦に出場停止で出られない松木玖生をはじめとしてハングリーな状態の選手が多く出場し、自分たちの力をアピールすることになりそうだ。そこに油断は生じにくいだろう。アルベル監督はこう言っていた。
 
「いままでなかなかプレー時間に恵まれていない選手、そして若い選手にはチャンスを与えたいと思っています。カテゴリーがちがうチームと対戦するのが難しいことはみなさんもご存知かと思います。もちろん我々は勝利をめざしています。それを踏まえたうえで、そして試合の難しさを踏まえたうえで、プレー時間に恵まれていない選手と若手選手にチャンスを与えたいと思っています」
 
 サイドバックでは鈴木準弥と徳元悠平の苦労人コンビが実現すると予想される明日、活躍の機会を渇望する選手たちの意地と誇りによって、常に難関となる天皇杯初戦を突破したい。
 
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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

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「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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