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長谷部健渋谷区長が緊急視察!梶浦勇輝と石川直宏CCが参加した神南小学校の普及活動【F.C.TOKYO Topics in the Off-Season/無料公開】

 

出番直前、校庭の脇で待機する講師陣。撮影:後藤勝


 感染症対策の観点から学校生活に様々な制約を受けている子どもたちに向けて「見る・聞く・触れる」体験を提供、笑顔を取り戻してもらうことを目的とした『子供を笑顔にするプロジェクト』の一環として12月21日、渋谷区立神南小学校でFC東京がサッカーの普及活動をおこなった。講師陣は石川直宏CC、来季ツエーゲン金沢への期限付き移籍が決まっている梶浦勇輝、FC東京普及部の櫻澤寛樹コーチ、内山竜コーチ、高山航介コーチの5人体制。3年生3クラス全92名を対象に、サッカーが得意でない子にも親しみやすいウォーミングアップから白熱のゲーム、石川CCや梶浦とのトークまで充実した1時間40分が過ぎていった。
 
 アベマタワーズや東急ハンズや元祖仲屋むげん堂が目と鼻の先、そして隣接するモダンな渋谷区役所庁舎が見下ろす神南小学校の校庭には人工芝が敷き詰められ、スポーツの観点からは砂漠にオアシスといった趣。都会の真ん中でサッカーに熱中するという行為そのものが壮観だった。
 

冒頭、子どもたちに向かって話す博多正勝校長。撮影:後藤勝


◆「都会の渋谷区らしく取り組んでいきたい」
 

長谷部健渋谷区長。撮影:後藤勝


 この光景にたまらずオフィスから降りてきたのは長谷部健渋谷区長。公務で多忙ななか、時間を割いて校庭に姿をあらわした。もちろん予定にはなかったことだ。
 
「すぐそこですからね。すごく興味がありましたし、区役所の真下ですから。上から観るだけにしようかなとも思いましたけど」
 
 FC東京から現役のプロ選手を含む指導者が迅速にやってきて高度な内容を優しく伝える。こうしたスポーツ環境は渋谷区としてもめざしているところであるようだ。
 
「手軽にスポーツをやれるようには当然してあげたいです。渋谷区は仰るように都心なので、スポーツが出来る場所というのは非常に限られているんですよね。これは、これからすごく工夫していかないといけないんですよ。基本構想、渋谷区の政策の最上位概念では『ちがいを ちからに 変える街。渋谷区』となっていますが、それを実現するために下には教育、福祉、スポーツなどのカテゴリーがあってスポーツのところは『思わず身体を動かしたくなる街へ。』としています。そのリード文を下へ読んでいくと、渋谷区じゅうを15平方キロメートルの運動場と見立てて政策を考えていこうということになっていて、この校庭もそうです。いままで学校の施設は学校だけのものでしたけれども、もう少し地域に開放していきたい。
 この間も甲州街道の向う側にある水道道路で1マイルのランニングレース(「北渋マイル/北渋Run Runフェスタ」)を開催したりとか、工夫しながら運動をする機会をこれからもつくっていきたい。
 一方で観ることに関して言えば、相当トップオブトップのスポーツを区内または隣接地域で観ることが出来ます。神宮球場は港区なんですけど、国立競技場はちょっとだけ渋谷区が入っていたり、東京体育館もあるし代々木の競技場もあるし、青学もある。観ることをもっともっと採り入れていきたい。スポーツの語源には『気晴らし』や『発散する』という意味もあるわけだから、都会の渋谷区らしく取り組んでいきたいと考えています」
 

梶浦勇輝に話しかける長谷部渋谷区長。撮影:後藤勝


 普及部に加えて石川CCと現役の梶浦が参加したこの日の普及活動には相応のインパクトがあった。
 
「いい思い出になることは間違いないですね。元全日本の石川さん、渋谷区のクラブチーム出身の梶浦さん、こういった身近なスターであるふたりが来てくれたら、一生忘れない思い出になるんじゃないかなと思う。石川さんと梶浦さんを含むFC東京のみなさんには街の美化にも参加していただいていて、心強くありがたいです」
 
◆「すべてがつながって歴史になっている」
 

普及部の櫻澤寛樹コーチ。撮影:後藤勝


 引退後の活動によってトークも子どもたちに対する指導力も大幅に向上している石川CC。普及活動も慣れたものだが、神南小学校での2時間弱は印象深いものになったようだ。
 
「最後のゲームでは子どもたちがやっているうちにけっこうガチになってきて、さきほどの人工芝の話(※けがをおそれず、倒れても立ち上がってプレーを続行出来る旨の話を先にしていた)に関わるのかもしれないが、わりとガツガツ球際に行っていて、でもクリーンに激しいものだった」と水を向けると、石川CCは「そうなんですよ、そこびっくりして」と同意した。
 

球際の競り合いは激しいが、クリーンだった。撮影:後藤勝


「ガチーンとぶつかって、これ大丈夫かな、倒れたまんまかなと思ったらすぐに立ち上がってそこからゴールが生まれたので(笑)、そういうことを体験してもらえるんのは非常にありがたかったですし。
何より、これってふだんの日常生活や学校生活のなかでたぶん関係がしっかりしていると思うんですよね。これが仲が悪いとかだとバチーンとぶつかって『なんだよ』みたいになるんでしょうけれども、そういうことが一切なかったので。
 だからそういった部分で言うとサッカーをやってそこがクリーンに出来るというのは、先生方と生徒さんたちのコミュニケーションを見ていても、たぶんお互いにすごく信頼をしているのだろうと思わされる姿がありましたし、ぼくらもその時間だけでは出来ない部分でもあるので、ふだん出来ているからこそその関係値をさらに高められるところもある。
 一方でふだんが出来ていなければ、サッカーでリスペクトやルールがあるよということを伝えられるんですけれども、今日はそういうことがいらない生徒のみなさんでした」
 
 優しい校風のもとで育つ子どもたちについて、石川CCは「とても純粋で、それに尽きますね」と言い、眼を細めていた。
 

子どもたちと話す梶浦。撮影:後藤勝


 この日、石川CCは冒頭の挨拶で「元日本代表の」という紹介のされ方をした。現在は日本代表がワールドカップでベスト8進出を果たせなかったもののドイツとスペインを破り一定のインパクトを与えたあとで「日本代表」と言えばその価値を世間に感覚的にわかってもらえる状態だ。この状況をどう思うかと訊ねると、石川CCは「それはもう、いまの現役の選手たちをありがたく思っていますよ。結果を残してくれたから」と嬉しそうに語った。
 
「ぼくは6試合しか出ていないけど、いちおう日本代表と言ってくれて。ふだんワールドカップがないときは、日本代表という紹介はほとんどないです。FC東京で何年やって、とか。代表の価値とか誇り、インパクトというのは大きいものだなとあらためて思っていますし、ありがたいですよね。それは自分がやってきたものでもあるので。
 ただそういうものも含めて、クラブもそうですし、日本サッカー界に受け継がれてきたものがすべていまにあらわれていて、またいまのことを子どもたちが受け継いでいくと思うんですよね。
 男子だけじゃなくて女子の子どもたちも今日はすごく興味を持ってやってくれた。日本の女子はワールドカップで優勝していますし、そこをめざしてくれる子どもたちが増えたらなと思いますね」
 
 もはや石川CC自体が歴史の一部になった感がある。
 
「ぼくは全然爪痕を残せなかったんですけど、FC東京の中での爪痕は意識していましたし。それが結果的に代表という道につながった。すべてがつながってそれがまた歴史になっているのは、サッカーをつづけてきたからこそですし、サッカーの世界にいるからこそ感じられることだという想いで言えば、すごく嬉しいですね」
 
 代表に選出されながら東京で現役をまっとうした選手が引退し、これから代表をめざす東京の選手とハイレベルな指導を普及年代でおこなう。これがスポーツの居場所を広げ、再びサッカーの未来につながっていくのかもしれない。
 

端々に高度な技量を織り交ぜる石川CC。撮影:後藤勝


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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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新聞等はその都度「点」でマスの読者に届けるためのネタを選択せざるをえませんが、自由度が高い青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンでは、より少数の東京ファンに向け、他媒体では載らないような情報でもお伝えしていくことができます。すべての記事をならべると、その一年の移り変わりを体感できるはず。あなたもワッショイで激動のシーズンを体感しよう!

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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