青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

【有料記事】太田宏介、高精度“右足”クロスの謎。知性を宿した右の一撃が低迷する東京の行き先を照らす灯火となるか(2017/08/07)

多摩川クラシコを振り返る太田宏介。

8月5日におこなわれたJ1第20節vs.川崎フロンターレ戦は、後半4分、太田宏介が得意の左足ではなく右足で放ったクロスを中島翔哉がヘディングで決めるという予想だにしなかった先制ゴールでFC東京がリードを奪い、アウエー等々力陸上競技場での勝利まであと一歩と迫った。残念ながら後半44分に左コーナーキックからの同点ゴールを許し、引き分けに終わってしまったが、酷暑のなかハードワークに体力を費やす状態でも冷静な判断をつづけたことが、勝点1の獲得につながったことはたしかだろう。
3-1-4-2をオプションではなくスタートからのフォーメーションとして採用し始めてからの2試合、出場機会のなかった太田のファインプレーが、川崎に対抗しうる活力をもたらしたのだ。

始まりは後半2分、ペナルティボックス手前に左から入ってきた太田の「右足」でのシュートだった。あの右には、それを選択した確固たる理由があった。太田は言う。
「(ディフェンスラインが)5枚だといつもよりも5メートルから10メートル高い位置でボールをもらえる。タテに行く選択肢ももちろんあったんですけど、対峙している川崎の選手が(小林)悠だった。たぶん、あいつにしてみれば絶対にタテに来るだろうと思っていたはず。中が少し空いたから、後半が始まって最初のチャンスだったし、中に入ってシュートを撃って終わろうと」

その右足のシュートが呼び水となり、右足のクロスによる先制ゴールを生んだ。
「そのシュートを撃ったいいイメージが残っていたから、2回めに中に切れ込んだときに、(中島)翔哉と(橋本)拳人がゴール前に入ってきて、大外に(室屋)成がいるのが見えたから、自分としてはポイントに落とすイメージで落としたボールをうまく翔哉が決めてくれたと思うし、自分が頭のなかで思い描いたイメージと一致したフィニッシュだったと思います」

それにしても、右足であるにもかかわらずよくコントロールされたクロスは精度が高かった。あのキックに舌を巻いた東京ファンも多かったのではないか。
「あれは、ちょっと力を抜いたイメージで蹴りました。巻いて速いボールを蹴ろうとしたら、たぶん、

(残り 1622文字/全文: 2598文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ