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【有料記事/J1第20節第3報】Review◆守備に手応え。セットプレー守備と仕留める段階の課題克服が急務(2017/08/06)

2008年以来9年ぶりに多摩川クラシコで年間2勝を果たすチャンスだったが、後半終了間際の失点で1-1に追いつかれ、今シーズンの対戦はFC東京の1勝1分けとなった。これで直近のリーグ戦は6試合勝ちがなく3連敗のあと3引き分け。結果が伴わず、読後感は決してよくはない。とはいえ、最後のカウンターで永井謙佑のシュートが決まっていれば大きく印象は変わっていただろうし、多くの選手が水分を出しきって試合を終えるほどの蒸し暑さのなかでの試合で、この結果を責めるのは酷かもしれない。むしろ、この酷暑のなか、よくあれだけのハードワークができたものだと感嘆する。それには吉本一謙が「これでこういうプレーができなかったら男じゃないだろうと思っていた」と言うように、石川直宏の現役引退に込められたメッセージから自分がやらねばならないことを自覚していたからかもしれない。あるいは、その吉本や太田宏介は中断期間明けの2試合に出場していなかったぶんの危機感をバネに、全力のパフォーマンスを発揮できたのか。いずれにしろ、内容には進歩が感じられた。

開幕戦でできていたこと、すなわちハードワークと自陣ゴール前でからだを張って守ることができなくなり、3-1-4-2にすることでそれらを取り戻しただけと言えなくもないが、明確にわかるのは守備の進歩だ。

ルヴァンカッププレーオフステージ第2戦のvs.サンフレッチェ広島、J1第19節のvs.アルビレックス新潟は、東京優位の試合で、前からプレッシャーをかけて相手陣内に押し込むゲームができていた。それらに対し、昨晩のvs.川崎フロンターレ戦ははじめて引き気味の時間帯が多い状態で戦うことになった点が異なるところだった。2試合つづけてセットプレーで失点しているところは急ぎ修正をしなくてはならないし、攻め込まれながらも自分たちがボールを保持する時間を増やさなければならないことはたしかだが、上位チームを相手に引いたバランスでも攻守に機能したのは収穫だった。中島翔哉にその辺りの感触を問うと、答えは「なるべく前でボールを獲ろうと思っていますし、そっちのほうが楽なので、うしろに引こうと言っていても相手が油断していたら獲りに行こうと思っていますし、そこはウタカとコンビネーションをとりながらやっています」。現状のボールを奪ってからの攻撃を形成するうえでペースメーカー的な存在となっている中島の口調には好感触が漂った。勝てなかった試合ではあるものの、ピッチ上の選手たちには自信をつけた面もあるだろう。

セットプレー以外の刻んでくる、いわゆる流れのなかの攻撃に関しては、

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