「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「今シーズン初ゴールを取れたのは自分にとって大きいこと。これからケチャドバじゃないけど、一気に取っていけるように次の試合が大事になってくる」(植中朝日)他 [G大阪戦後コメント]

 

[コメント]

ハリー キューウェル 監督

「難しい試合になってしまった。ガンバも簡単にはやらせてくれず、前半からコンパクトで、常に隙をうかがってチャンスを作ろうとしていた。前半はスタートから自分たちの内容で進めることができなかった。ここまでお互いプッシュし合いながら、この過密な日程も含めて戦ってきた中で、常に自分たちがやろうとしているサッカーが思うようにいかないこともたまにはあると思う。ただ、後半に入ったときにいつもの動き、球際へ向かうスピードや自分たちのやろうとしていることが徐々に出てきたと思う。そして最後のほうにエドゥアルドが犠牲になったが、彼はチームのためにピッチに戻ると言った。あれだけの強いメンタルを持った選手がいることは自分たちにとって心強いし、少し古臭いかもしれないが、ああいうところでの根性が時には大事になると思う。冒頭でも言ったようにガンバも素晴らしい試合を繰り広げたと思うし、自分たちも苦しい状況にさせたチームでもあった。だが、結果的に自分たちは最後の最後でしっかりと結果を残し、勝ち点3を取れたことはよかったと思っている」

 

 

 

――アンデルソン ロペス選手は今季の公式戦11試合全てに先発して今日は決勝点を挙げた。過密日程だけに今後のことも考えればピッチに立ち続けるのは大変だと思うが、ロペス選手の状態はどうなのか?

「彼は何を言っても試合に出たいと常に言っている。今日の内容に関しては、自分たちが思った内容ではなかったが、その中でも彼はフィジカル的な強さやボールを持ったときに違いを見せてくれた。しっかりと焦れずにゴールを決めたり、結果を残してきている。試合に出たいという気持ちは彼だけではなく、いろいろな選手がどんな状況でも「オレを出してくれ」というような姿勢を見せてくれているし、この状態でロペスを外して休ませた場合、彼は間違いなく「なぜオレを外すんだ」と言ってくると思う。毎試合このチームで、この素晴らしいファンのためにもみんながすべての試合に出たいという姿勢がこのチームにはある。その中でしっかりと自分がやるんだ、ここで休んでいる場合じゃないという選手たちの姿勢は素晴らしいし、彼のメンタルの強さ、試合の重要性を常に理解した中で、どういう状況でも「オレに任せろ」という姿勢を見せてくれている。ロペスに関してもそうだし、他の選手たちも同様、そういう姿勢が出ている」

 

 

――エドゥアルド選手は左太もも裏を押さえていたように見えたが、これからも大事な試合がある中で最後までプレーしたのはプロとして正しいことだったのか?

「実際にメディカルチームとまだしっかりと会話をしたわけではなく、彼も神戸戦に出ていたし、今日も90分プレーしたが、つっただけかもしれないし、何が原因かはまだこちらに知らされていない。明日になれば詳細は見えてくると思う。何が言いたいかというと、あのときの状況で素晴らしいメンタルをチームのために見せてくれた。ゲームファーストで考えられる素晴らしい選手だと思った。交代もできないし、ひとり少ない状態で戦わなければいけないと思ったが、彼がすぐに立ち上がって自分に歩み寄り、「オレはできる。まだ試合は終わっていない。チームのためにピッチに戻してくれ」というところを見せてくれた素晴らしい選手のひとりだと思う。そして全体で戦い、2点目が取れた。何かのために自分が犠牲になってでもやっていくという強い気持ちはこういう世界では大事だと思っているし、そういう選手が自分は好きだ。かと言って無理をさせることはない。いろいろなメンタルを持った選手がこのチームにはいるし、しっかり結果を残してくれた」

 

 

――Jリーグは他の国と比べてもさまざまなチームに優勝の可能性がある珍しいリーグだと思うが、7試合指揮を執ってどのような印象を持っている?

「おっしゃったように素晴らしいリーグだし、監督としてメンタルの強さを試されるハードなリーグだと感じている。自分がやってきた他のリーグも含めて、難しいリーグのひとつ。どの試合も本当に気が抜けないし、勝ち負けがどちらにつくかがどの試合も分からない。自分が日本ではない国のチームで指導していたときに、日本人選手を見ていたこともある。彼らのハードワークの姿勢や何に対しても取り組む姿勢は素晴らしいと感じていたし、来日してからも素晴らしい選手たちがそろっていると思っている。特に学ぶ姿勢、貪欲さ、何かを得ようとするところが本当に見えるし、最高のメンバーに恵まれ、難しいリーグで戦っていると感じている」

 

 

FW 10 アンデルソン ロペス

「今日はとても難しい試合だった。相手もすごくタフなチームだった。でも我々はホームでは強い。この勝利はホームでもアウェイでもすごく良い雰囲気を作ってくれるファン・サポーターに捧げたい。

 

 

 

 

(ゴールは)連係の取れたプレーだった。相手を背負っていたけど良いターンから良いフィニッシュができた。毎試合、監督は「コンディションが上がってきた」と僕に言ってくれるので、これからもチームに貢献していきたい」

 

 

FW 38 村上 悠緋

「前半チームとしてもなかなか自分たちの形を作れなかった。自分としてももうちょっと怖さを持ったプレーを第一に考えながらやれたらもっと良かったのかなと思う。サイドでボールを持った時に1対1になることが多かったので、そこで連係しながらとか冷静な判断をしながらやれたらゴールに迫るシーンはもっと増えたのかなと思う。この前は後ろ向きのプレーが多くて、まずファーストプレーは仕掛けようという思いで入った。クロスも上げられなかったけど、それはできたのかなと。

 

 

 

攻撃の部分は自分の特徴を練習から出せているので、そういった部分は評価されているのかなと思う。サッカー選手として、マリノスのウイングとしては1対1で仕掛けて打開できる選手が求められると思う。それができた時には、真ん中にはロペスもいるし、どんどんチャンスも増えていく。もっともっと頑張らないといけない部分は1対1の仕掛けだと思う。去年はサイドバックでスタメンだったけど、初めて前のポジションでスタメンということでやってやろうという思いもすごく強い中で試合に入って、なんとしても得点やアシストで結果が欲しかったのが正直なところ。また次のチャンスが来るように練習から頑張るだけ」

 

 

FW 37 塩貝 健人

「自分はJの下部組織にもいて、試合を見に行ったりする機会があったけど、あらためて自分がその舞台に立っているのは不思議な感覚で、実感が湧かなかった。今日はデビュー戦だったので後悔がないようにプレーした。ファンや見ている人を驚かせたいと思っていて、ファーストプレーは熱くなり過ぎたけど、あれくらいやってもいいのかなと思っている。次はちょっとだけ抑えてやれたらいいかなと思う。

 

 

 

 

(全体的に)手ごたえとしてはあまり納得していない。シュートシーンも決めないといけなかったし、焦って簡単にボールを蹴ってしまっていた。途中出場だったので自分がボールを収めて1~2枚剥がす力は、焦られなければあると思う。気持ちの部分で焦りがあって、納得していない。後ろ向きで受けるシーンが多かったけど、そこも自分の武器。あそこで前を向けたらもっと怖いと思うので、次は周りを見てボールを止めることをやりたい。自分はドリブルが武器なので、それでかわしてシュートまで持っていきたい。

 

 

 

 

(次に向けて)このピッチでこの応援の中でやれるのは、サッカー選手として恵まれていると思う。こういう経験を大学に還元したなければいけないし、プロの舞台に立った以上は関東リーグや部活で甘いプレーできないので、もう一度気を引き締めてやっていきたい。ファンの心を掴みたいというか、応援される人間になりたい。自分を鼓舞してくれたし、その声援に結果で返したいと思ったけど、次にチャンスが来たら絶対に決めたい。

 

ヨコエク

(残り 1973文字/全文: 5368文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ