「最終的には怖さであり、ゴール。そこを意識したうえでのイメージを共有したい」（石川直宏）【コメント／レビュー】2013 Jリーグヤマザキナビスコカップ 第4節 セレッソ大阪対FC東京（04/10）_第3報（2013/04/12）［6,550文字］

2013年04月12日 13時46分　
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久々に全体練習に復帰した直後のヤマザキナビスコカップ対セレッソ大阪戦で途中出場を果たした石川直宏、この試合唯一のゴールを決めた李忠成、両サイドハーフで先発した三田啓貴と河野広貴、そしてランコ ポポヴィッチ監督の談話をお届けする。

その前に、あすの対ベガルタ仙台戦に向け、対セレッソ戦の短いレビューを。

Contents
・レビュー　セレッソ大阪対FC東京
・石川直宏の談話
・李忠成の談話
・三田啓貴の談話
・河野広貴の談話
・ランコ ポポヴィッチ監督の囲み取材に於ける談話

◆レビュー　セレッソ大阪対FC東京

ランコ ポポヴィッチ監督は「選手にはもっと自分たちを信じてほしい」と繰り返したが、まさに試合中にどんどん自信を失っていった後半ではなかったか。同点にしなければいけない状況で最後のほうはミスが多くなり、ほぼ混乱しているに近い状態を露呈してしまった。ラストがフリーキックを合わせる場面で、平山相太をベンチに置いたままという構図になってしまったのも、結果論とはいえ皮肉だった。

藤本康太も、石川直宏の話によれば茂庭照幸も「FC東京に廻させる、ブロックの前で廻させるぶんには怖くない」と認識していて、セレッソ大阪がリトリートして守りを固めてからのカウンターや長距離攻撃を狙っていたことは明白だ。
その守備ブロックのつくり方、ポジショニングが巧みで、連動したパスワーク、あるいやドリブルやワンツーなどの仕掛けが非常にやりにくかったことは、三田啓貴や河野広貴の談話からもよく伝わってくる。

すべての試合で自分たちの思うようなスタイルを全開にできないのは、J1前節の対大宮アルディージャ戦でも身にしみたこと。そういうときにもっと戦い方を柔軟に変えていってもよいのではないだろうか。
終盤、相手が引いた時間帯に、ロングボールを入れるのではなく、しかし悠長にパスをつないでいる場合でもないことから、確実性と時間の短縮との兼ね合いからか、高橋秀人が「ドリブルくさび」とでも言うような、自らボールを運ぶプレーで前に行く場面があったが、そういう判断を適宜下していったほうがとよいと、個人的には思う。

その戦術変更に、共通した認識があり、柱が決まっていたほうがいいというのが石川の意見だ。パスをつなぐこと以外のストロングはいくつもあるかもしれないが、状況によって何を取り出すか、その武器を決めておいたほうがよいと。
石川との応答にも記したが、失点後、急いで点を獲りたい時間帯に、三田啓貴は左サイドで少々強引にでも仕掛けてチャンスをつくろうとしたし、そのすぐあとに、李忠成の求めに応じてシンプルに加賀健一が上げたクロスを、これまた李がシンプルに叩いてゴールを決めている。

ボール廻しが得意なチームが、仕上げの得点はなぜか中盤の頭を越した浮き球に合わせたものだったり、カウンターだったり、ドリブルシュートだったりというのは、よくあることだと思う。

現状だと先行逃げ切りに失敗した場合、追いつけない雰囲気になっている。パスを廻しつづけて失速するくらいなら、後半ビハインドの時間帯には、追いつき追い越せヴァージョンに切り替えてもよいのではないだろうか。石川の言葉を借りれば、その指針を固めておけば劣勢時の自信にもなるはずだ。メンタルが末端の技術を規定することもあるかもしれないが、具体的なプレーを定めることで生まれる自信もあると思う。チームのスタイル、ポリシー、方針の範囲内で改善する余地は残されているはずだ。

○石川直宏の談話

――出ましたね。
出番がありましたけど、何もやっていないですね。ミスも多かったし。コンディションはいい感じなので、そのよさを結果につなげたかった。
負けて悔しく、いろいろと考えることもあるんですけれども、まずは試合に出た、（個人としては）そこからだと思います。

――負けてる状況だとやることがはっきりしていたのでは？
はっきりしているんですけど。全体として、きょうで言えば4-2-3-1というフォーメーションのなかで選手間の距離が変わらなかった部分で、相手はウチに怖さを持っていなかったと思う。モニ（茂庭照幸）とも話をしていたんですけれども、（彼は）自分たちの前でボールは廻るけどしっかり守っていれば最終的なところでの怖さはなかった、と言っていました。そこがすべてかなと思います。

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