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「ビシっとやらないと。連敗しているチームの雰囲気ではなかった。次の仙台までに、もう少し、鬼の形相になります」(高橋秀人)【コメント】2013 Jリーグヤマザキナビスコカップ 第4節 セレッソ大阪対FC東京(04/10)_第2報(2013/04/11)[3,519文字]

観衆の少ない平日ナイトゲームでは、名状しがたい緩い空気がスタジアムに充ちてしまうことがある。昨晩のヤマザキナビスコカップ、セレッソ大阪対FC東京戦がキックオフからそういう試合になっていたことに驚かされたが、試合終了後の囲み取材で高橋秀人の口から同様の意見が出てきて、さらに驚かされた。

なかなかピッチに立っていると自分たちがふだんよりもどのくらいパフォい~マンスを落としているかはわかりにくいだろうし、気がついていたとしても、客観的な視点に戻って修正し、それを呼びかけたり、「ここからだ!」と叱咤してチームメートの眼を覚まさせることは、そう簡単ではないだろう。

さらにまた驚かされたのは、そのような叱咤激励をする存在になりたいと高橋が意思を明確にしたことだ。いわゆる闘将という言葉にしてしまってよいものかどうかわからないが、高橋の言葉は、単純にチームリーダーというのともちがう、熱さを発散してチームを刺激するプレーヤーになりたいという意思の発露に思えた。
その類の選手は、あまねく数多くどのチームにも存在するというわけでもなさそうだ。高橋は田中マルクス闘莉王、増嶋竜也、中澤聡太を例に挙げたが、JFLでもFC町田ゼルビアに、ザスパ草津チャレンジャーズからプロのキャリアを始めた苦労人の太田康介がいて、苦境に大きな声を出している。

ボランチやセンターバックにこうした選手が多いのは偶然ではないのかもしれない。うしろの神は声の神と言うし、有力な選手をリベロやボランチに置き、広範囲に影響を与えようとする考えそのものは珍しくない。問題はそういう人物がいるかどうかだ。

キャプテンマークを巻く森重真人とは別に、それこそランコ ポポヴィッチ監督が思い浮かべるフォアリベロが東京にいてもいいだろう。いまチームは、ヤマザキナビスコカップを挟み、いい内容の試合をつづけてきたこともあって危機感が薄い。しかしナビスコですら負けたいまとなっては、危機的な状況は眼に見えるものになりつつある。
いまこそ嫌われようと叩かれようと声を上げなくてはという高橋の思いには共感できるところがある。まずは週末の対ベガルタ仙台戦で、東京がより闘志を発散するチームに変貌しているかどうかを確かめてみたい。
ここでは、高橋秀人がその気持ちを吐露した談話を紹介しよう。

○センターバックに入った高橋秀人の談話

◆ディフェンダーとして振り返る対セレッソ戦の守備
ほんとうは四枚のラインで、ラインコントロールしながらやっていきたいけれども、それでも自分がマークしている選手との駆け引きもあるから、三枚が上げてもひとりが残っていたり、ということはあります。
もう少し個人個人で対応するのか、四枚で上げるのかは、難しいところではあったと思います。自分のマークを捨ててでもラインを優先するのか。

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