HAMABLUE PRESS

【シリーズ】2023 シーズンレビュー vol.3……試行錯誤

 

(vol.1……高き理想)
(vol.2……軌道修正)

2023シーズン、横浜FCにとって3度目のJ1挑戦は、過去2回と同じように最下位での降格で幕を閉じた。開幕から10試合勝てず、昨季の主力が相次いで離脱する中で、それでも最終節まで希望をつないだ。今季の苦闘を振り返っていく。

(文と写真/芥川和久)

 

▼再び続くトンネル

今季の横浜FCは2連勝が一度あったが、引き分けを入れても3試合以上負けなしという好調な時期を作ることができなかった。つまり、内容は上向いても、勢いに乗ることができなかった。またそれも、「ここで勝てば」というところで、残留争いのライバルチームに勝つことができなかった。

悔いが残る試合は多いが、その一つがシーズンを折り返した第18節・京都戦(6/24)だった。京都は14位で勝点3差。前半は0-0でしのぎ、74分に先制しながら、84分と87分にゴールを奪われて逆転負けを喫する。さらに続く第19節・ガンバ大阪戦(7/1)も、京都に替わって14位となっていたガンバに引き分けた。この試合でのガンバは、ガンバサポーターから激しいブーイングが浴びせられるほどの出来だったが、勝ち切ることができなかった。

 

京都戦では三田啓貴が前半にベンチメンバーながらレッドカードを受けてしまい、残り8分でボランチとして投入された西山大雅。これが横浜FC在籍2年で唯一の出場となった

 

守備意識を強く持って戦う中で、得点力不足が大きく影を落としていた。6ゴールを挙げていた小川航基はNECへ期限付き移籍が決まり、6月半ばから試合に出ておらず、ガンバ戦の翌日にオランダへ旅立って行った。第20節・川崎戦(7/8)は前半から何度も決定機を作るが決めきれず、何度も決定機を作ったがゆえに守備意識が薄れ、結果的に0-3で敗れる。その直後のミッドウイークには天皇杯3回戦・高知ユナイテッド戦(7/12)が行われ、カテゴリーが3つ下のJFLチームに敗戦を喫した。控えメンバーが中心だったとはいえ、堅守速攻を徹底した高知を攻めあぐねてカウンター一発に沈んだのだった。

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