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東京流とは何かを示し、ボール保持特化型のアルビレックス新潟に勝利を収めたFC東京【2023 J1第10節 FC東京vs.新潟 本音Column】

 

アビスパ福岡戦を前にしたアルベル監督。撮影:後藤勝


 当サイトが無視を決め込むのは難しいくらいにSNSが沸騰しているエンブレム変更問題ですが、私としては、10年後とか15年後くらいになってお迎えが来たときに「これがワシらの若い頃のエンブレムじゃ。正直、ダサかったのう。じゃが、ワシらはこれが大好きだったんじゃ……」と、遠い目をして回想シーンに入るべく、そのときの話し相手となる子どものファンをつくっていくためにも、いま変えられるところは変えてもいいんじゃないかなというのが、個人的な意見です。
 
 公園がもちろん気功体操をやっている高齢者の憩いの場であってもいいと思いますけど、若い夫婦や子どもにも入ってきてもらいたいですからね。自分の身体のあちこちにガタが出てくると、どうしても次の世代のことを考えてしまうんですよね。もう、おじいちゃんですよ。ワッショイじいさん。
 
 ただし、エンブレム変更に至る意思決定プロセスやクラブのガバナンスがガバガバじゃねーか、という意見については「うん……まあ、そうねぇ」と思うところも、もちろんあります。MIXIさんだったら本来、もうちょっとうまくやれるのではないのかな、と。
 
 私としては、この件に関してはどっちつかずのスタンスを貫くつもりです。ただ、どう着地するのか、心配しているのは確かです。こういう物事はそれにかかわる人々が意見を交わしていって徐々にこなれていくものだと思いますので、クラブはクラブでどんどん発信していく、ファンはファンでYouTubeのコメント欄なりSNSなりに文字を残していくということの繰り返しの果てに着地点が見えてくることを願っています。
 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 
 といったところで、試合レポートのあとに書くいつものコラムを始めていきたいと思います。
 
◆重要なこと3つ
 
 前回、コラムの最後に「そう、FC東京は、まずは今シーズンの東京流で臨むべき。東京流で新潟に勝ちましょう」と書いたところ、その通りの試合展開になってびっくりしています。アルベル監督が私の訴えを聞き届けてくれたのだとしたら嬉しいですが、まあそれはさすがに自惚れでしょう。偶然の一致だと思います。
 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 新潟戦で東京が勝利を収めたポイントは3つあります。
・新潟と東京のスタイルが異なることを明確に認識し、かつポゼッションで東京が新潟にかなわないことを自覚し、新潟にボールを保持されることを前提にカウンターの練習をするなど、この試合に特化した準備を進めていたこと
・ボール保持型のサッカーと同時に、1対1で勝つこと、切り替えをすばやくすること、ゴール前に効率よく運ぶことの3点セットが揃った高い強度志向の傾向がヨーロッパに存在することを認識し、その両方を充たすサッカーをアルベル監督がめざしていること
・4-2-3-1を基本として現時点での戦い方の整理を進めていたこと

 この3つを意識しながら話を進めていきたいと思います。
 

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