青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

ストレッチャーパーソンとして夢の島のピッチに立った!【20周年記念特別企画レポート/無料公開】

 
◆20周年記念の一環として会員から募集

 1998年10月1日に産声を上げたFC東京が、ことし20周年を迎える。9月29日のJ1第28節、清水エスパルスとの一戦で「FC東京クラブ創設20周年記念イベント」が開催されるが、これに先立ち、既に様々な企画が催されてきた。
 9月29日からの10月6日までの期間に第6回を迎える『FC東京20周年記念写真展』や、4月に社会人の部、9月に少年の部を開催した『ホームタウン6市交流サッカー大会』もそうだが、会員向けの限定企画もある。8月25日のJ3第20節「FC東京U-23vs.ザスパクサツ群馬」では会員のボールパーソン参加、そして9月16日のJ3第23節「FC東京U-23vs.SC相模原」では、ストレッチャーパーソン参加が実施された。
 ここでは、16日に実施されたばかりの『ストレッチャーパーソン』企画についてレポートしよう。

 この『ストレッチャーパーソン』企画に応募した中学1年生以上のファンクラブU-20、クラブサポートメンバー会員のなかから抽選で選ばれた参加者は、試合当日、確実に来場できるということはもちろん、体力面でも準備をしておく必要があった。
 選手ひとりと担架を合わせて概ね80kg。その四隅をストレッチャーパーソンが持つため、分散された荷重は約20kgになる。その重さを担える必要があるからだ。

 

出番に備えるストレッチャーパーソンのみなさん。

 16日午前、江東区夢の島競技場に集合した参加者は、担当スタッフからひととおりの説明を受けた。まずはボールパーソン用の控え室へと集まり、段取りを確認。そして開門前に時間をかけてひととおりのリハーサルをおこなった。
 担架の運搬はもちろん、試合前には挨拶がある。その入退場に、一糸乱れぬ動きが求められるからだ。
 センターサークルに誰が並ぶのかを決め、立ち位置と間隔を調整。次にサウンドテストをしながらの練習。音響(ナレーション、楽曲)に合わせ、走ってピッチに入り、センターサークルに整列、挨拶をする。

◆倒れた選手がゴールより気になる

 試合開始までは昼食を摂りながらの休憩で、ここは唯一ゆっくりできる時間帯だが、試合開始前には、選手のウオームアップ時にボール拾いの仕事があり、既に気持ちは業務に集中したモードに切り替わっている。
 実際のピッチで選手の迫力を体感すると、ウオームアップ終了の前にスタンド下の構内へ。スタンバイし、今度はボールパーソンとともに入場、先におこなったリハーサルのとおりに挨拶をする。
 練習の甲斐あってここは即席とは思えない出来。控えスペースに戻ると、スタッフからもお褒めの言葉があった。

試合前、ボールパーソンとともに整列。挨拶をする。

 2002年頃からFC東京に関心を抱き、2012年からは「おとなのサッカー教室」に通ってクラブ愛を深め、現在はクラブサポートメンバーであるという萩田勝巳さんに、参加者の代表として話をしてもらった。
 仕事が舞台の音響演出であり、重い機材をよく持つので腕力には自信があったという萩田さん。日頃フットサルなどでもボールに親しんでいることもあり、ボール拾いもなんなくこなしていたが、試合中、ピッチサイドで待機しているあいだは、かなり緊張していたという。
「試合中、担架を要する事態になった場合には、4審から『担架!』と、声をかけられます。4審の両側に、チーム別に一班ずつ待機。前半と後半で担当チームを入れ替えました。プレーが止まり、アディショナルタイムが5分、6分と伸びるようなけががなく、担架に選手を乗せずに済んだので“おおごとにならず、よかった”というのが正直な感想です。先制点が決まったときも、その手前で倒れていた選手のほうがゴールよりも気になりました。貴重な体験でした」
 

試合中はピッチサイドで待機。右端の男性が萩田さん。

 リハーサルとボール拾いも加味すると、短い時間でかなり濃密な内容。正式なボランティアと同様、厳密な職業精神が求められるとはいえ、集中を欠かないと同時に飽きないよう工夫されたメニューとも言える。スタジアムツアー的な要素も含む勤労体験として、参加者のいい思い出になったようだ。

———–

後藤勝渾身の一撃、フットボールを主題とした近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(装画:シャン・ジャン、挿画:高田桂)カンゼンより発売中!
書評
http://thurinus.exblog.jp/21938532/
「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
http://goo.gl/XlssTg
「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
———–

「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」とは

 

「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」について

『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンは平均して週4回の更新をめざしています。公開されるコンテンツは次のとおりです。

主なコンテンツ

●MATCH 試合後の取材も加味した観戦記など
●KODAIRA 練習レポートや日々の動静など
●新東京書簡 かつての専門紙での連載記事をルーツに持つ、ライター海江田哲朗と後藤勝のリレーコラムです。独特の何かが生まれてきます

そのほかコラム、ニュース、などなど……
新聞等はその都度「点」でマスの読者に届けるためのネタを選択せざるをえませんが、自由度が高い青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンでは、より少数の東京ファンに向け、他媒体では載らないような情報でもお伝えしていくことができます。すべての記事をならべると、その一年の移り変わりを体感できるはず。あなたもワッショイで激動のシーズンを体感しよう!

 

■過去1週間の記事一覧

○4/30
○4/29
○4/27
○4/26
○4/25
○4/24

 

◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

ご購読方法

3STEPで簡単登録!

  1. お客様情報のご登録

    まずは簡単無料登録!
    必要な情報はメールアドレスだけ!

  2. コンテンツ、決済方法の選択

    豊富なお支払い方法! クレジットカード、キャリア決済も対応!

  3. コンテンツの購読完了!

    お手続き完了後、コンテンツ内の有料記事がすぐに全て読める!

無料会員登録

支払い方法ごとの詳細

各お支払い方法ごとに、詳しいお申し込み方法と閲覧期間の説明ページをご用意しました。下記リンクから、お進みください。

タグマ!とは

スポーツ、カルチャー、エンタメ。好きなジャンルをとことん読めるWEBマガジン

Push7リアルタイム更新通知に対応!記事更新をお手元の端末へダイレクト通知。気になる話題がいち早く!

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ