デイリーホーリーホック

「全員が主力。『自分で判断するサッカー』を実践 障がい者サッカーチーム『クノスフェアビデ』が発足」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】

水戸ホーリーホックの障がい者サッカーチーム「クノスフェアビデ」がこのほど発足し、ユニフォーム贈呈式が城里町のアツマーレで開かれました。
式には濱崎芳己監督や西村卓朗GMが参加。選手22名一人ひとりにユニフォームを直接手渡し、新たな水戸ファミリーを歓迎しました。
特別支援学級で教師をしていた経歴を持つ濱崎監督は「皆さんがどんな思いでサッカーを続けているかよく分かります。皆さんは同じエンブレムを付けた水戸ファミリーの一員。自信と誇りを持って目一杯サッカーを楽しんで欲しいです」と感慨深そうにエールを送っていました。

【写真 米村優子】

クノスフェアビデとは、ドイツ語で蕾を意味する「クノスペ」と繋ぐの意味を持つ「フェアビンデン」をかけあわせた造語。
「スポーツを始めたい、楽しみたいという〝蕾〟を大きく咲かせ、生涯にわたって〝繋〟いでいきたい」という所属選手の想いから生まれたチーム名です。
県央地域で活動していた知的障がい者サッカーチーム「茨城水戸クラブ」の運営を水戸ホーリーホックが引き継ぎ、組織体制をより強化していきます。

【写真 米村優子】

冷静沈着にゲームをコントロールする8番・MF西岡祥汰キャプテン、ハードワークでチームに貢献するボランチの5番・MF鴇田正典選手、パワフルなストライカーの10番・FW小澤日向選手など、所属する選手は22名。
普段は一般企業や福祉作業所で働く18~36歳の社会人で、メンバーの約3分の1が国体の選手です。

【写真 米村優子】

チームの指揮を執る加藤貴之監督は、これまで知的障がい者サッカーの立ち上げや普及・強化に務めてきた特別支援学校の元教諭です。
「補欠選手はいなく、全員が主力選手。メンバーも戦術もみんなで決めていくボトムアップ式の『自分で判断するサッカー』を目指していきたいです。周囲に言われて動くのではなく、自分たちで認知判断行動をすることを実践していきます」と意気込みます。

【写真 米村優子】

贈呈式後は、水戸高等特別支援学校サッカー部との20分×2本のトレーニングマッチも開かれました。
1本目は開始3分にディフェンスの裏を取られて失点を喫し、0-1の悔しい結果に。
リベンジの2本目は、攻勢を強めたクノスフェアビデがエースの小澤選手を中心にカウンターを仕掛け、9分にペナルティーエリア付近のFKからの混戦を25番・渡辺大輝選手が押し込んで待望の得点をゲット。
試合当日は加藤監督の誕生日。ゴールという祝砲で記念すべき日を演出しました。
クノスフェアビデの初陣は1-1のドローで終了となりましたが、選手は清々しい笑顔を見せながら観客に挨拶をしていました。

【写真 米村優子】

今後、水戸ホーリーホックは「農業×福祉×スポーツ」の連携による障がい者支援の推進を強化。
トップパートナー「JX金属」、水戸の農事業「GRASS ROOTS FARM」やJX金属の農福連携事業・内原ファームの圃場管理の指導などサポートしている「日本農業実践学園」の三者が連携し、内原ファームで働く障がい者をクノスフェアビデに受け入れたり、GRASS ROOTS FARMで障がい者雇用を創出するなど、多様な人材が活き活きと暮らせて、個性が尊重される社会の実現を目指していく方針を示しています。

【写真 米村優子】

クノスフェアビデは毎週木曜日の夜に水戸市河和田町のハイス水戸でトレーニングし、週末は随時、大会への出場や練習試合を実施する予定です。
同じエンブレムの掲げて戦う新たな仲間たちの活躍をともに全力応援しましょう!

【写真 米村優子】

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