デイリーホーリーホック

「サブグラウンドも北関東ダービーが実現!クノスフェアビデが栃木県ID選抜と対戦」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】

4月13日、ホーム栃木戦が開催されたケーズデンキスタジアムのサブグラウンドで、水戸ホーリーホックの障がい者チーム「クノスフェアビデ(クノファビ)」と知的障がい者サッカーチーム「栃木県ID選抜」のトレーニングマッチが実施され、もう一つの北関東ダービーが繰り広げられました。

今年2月に発足したクノファビと対戦する栃木県ID選抜は、2022年の栃木国体の知的障がい者サッカーで準優勝、今年3月に開かれた「第21回全日本知的障がい者サッカー選手権大会’24チャンピオンシップ」で3位を獲得。日本代表候補のDF髙木翔選手も在籍している強豪チームです。

【写真 米村優子】

30分ハーフで実施されたゲームの前半は、クノファビが守備の隙を突かれ、ミスを連発。栃木のスピード、強度、精度に翻弄される展開となりました。
開始3分で先制点を決められると、8分にセットプレー、12分に素早いパスワークで守備を攻略され、立て続けに3点を奪われます。
前半中盤にようやく流れを掴み始めましたが、攻撃の連係が合わず、得点のチャンスも決め切れない状況が続きます。
逆に21分、左からのクロスに合わせられて失点し、25分にも高い位置でボールを奪取されてダメ押しの追加点を献上。大量5失点を喫して、後半へと折り返しました。

【写真 米村優子】

クノファビのモットーは、メンバーも戦術もみんなで決めていくボトムアップ式の「自分で判断するサッカー」。
ハーフタイムでは選手同士で活発に意見を出し合い、「前半は一対一や基礎的な部分で負けてしまい、自分たちのミスも多かった。そのため、パスを出す時はどこに顔を出すとか、自分たちの決まり事を作りました。そんな基礎的な部分の修正と得点への強い決意を確認しました」とMF西岡祥汰キャプテン。

【写真 米村優子】

後半は相手の強度が下がったことも伴い、エースストライカーの10番・FW小澤日向選手、20番・中島つばさ選手など前線の選手がゴール前まで迫る回数が増え、徐々に攻勢を強めていきます。
なんとか一矢報いようと前線にボールを送りますが、上手くつながらず、カウンターの好機も相手の堅守に阻まれてしまい、残念ながらスコアレスのまま終了。
その結果、0-5で栃木県ID選抜に軍配が上がりました。
両チームは笑顔で握手や抱擁を交わして、互いの健闘を称え合っていました。

【写真 米村優子】

加藤貴之監督は「最近は大量失点していたので、守備の課題を中心にトレーニングしてきました。ハーフタイムは子どもたち自身で課題や意見をあげて、自分たちで修正したところを体現できたので、その部分では手応えを感じました。全国で結果を出している栃木さんに押されていましたが、今日は最後までバテず、集中を切らさずにゲームができたのも収穫でした」と評していました。

【写真 米村優子】

リーグ後期も北関東ダービーに挑むトップチームに向けて、西岡キャプテンは「自分たちは負けてしまいましたが、次に生かせる試合にしたいと考えています。トップチームの皆さんには絶対、北関東ダービーに勝って貰いたいです」と応援メッセージを寄せていました。

クノファビは今後もトレーニングマッチを重ね、来月には国内最大の障害者スポーツの祭典「全国障害者スポーツ大会」の関東ブロック予選に選手約10人が出場。
茨城代表として全国の切符を目指して挑みます。

【写真 米村優子】

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