「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

畠中槙之輔の復帰と今季初の無失点は無関係ではない。 センターラインに芯が通ったことで、攻守両面に絶大な効果をもたらした [J6節 川崎戦レビュー]

 

内容で圧倒した前半

 

ディフェンスラインを形成した選手たちは異口同音に手ごたえを語った。

チャンスクリエイトで貢献した松原健が開口一番で「明らかにウチのほうがチャンスを多く作れていた」と胸を張って言えば、堅い守りを披露した上島拓巳も「チャンスの数でいったら、自分たちが求める攻撃的なスタイルを体現できていた」と納得の表情。守備で隙を見せることなく、序盤からチャンスの山を築いていった。

 

 

前半だけでも決定機は6~7回あったはず。24分に永戸勝也の左CKから上島がヘディングシュートを放つもバーを直撃。30分には喜田拓也のパスにエウベルが抜け出しかけたが、相手DFの素早い戻りに阻まれた。35分には松原の右CKから宮市亮が頭で合わせるも、シュートは枠のわずか左へ逸れる。

 

 

極めつけは38分の宮市か。松原の左足クロスを大外で合わせると、1本のシュートで2度もバーを叩く不運でゴールに嫌われた。今季初先発に気合い十分なのは伝わってきただけに、足りなかったのは結果だけ。「チャンスをもらったので、何としても結果で応えたかった。この引き分けが負けに等しいというか、今はそれくらいの気持ち。たらればを言っても遅いけど、前半に決め切れなかったことで引き分けになってしまった」とうなだれた。

攻撃陣のチャンス量産を下支えしたのが、同じく初先発となった畠中槙之輔だ。昨年8月以来のスタメンながら、長期離脱明けとは思えない安定した守備と彼らしい持ち出しからの球出しでチャンスを演出。背番号4の復戦列帰と今季初の無失点は無関係ではない。

 

 

ブランクをまったく感じさせないプレーぶりに、松原も「7ヵ月ぶりにスタメンで出場したことをまったく感じさせないクオリティを出せていたと思う。シン(畠中槙之輔)の持ち味であるボールのさばき方や運び方が今日は顕著に出た試合だと思う」と安堵の表情。センターラインに芯が通ったことで、攻守両面に絶大な効果をもたらした。

ようやく2024年のマリノスが本格スタートした感がある。

 

 

 

 

ギアが加速しなかった後半

 

だからこそ勝ち点3が欲しかった。

 

 

ヨコエク

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