「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

失点につながった自陣でのビルドアップミス。 それでも角田は前方向へパスをつなぎ、渡辺は隠れずにボールを受け続けた [J6節 FC東京戦レビュー]

 

マリノスらしい2ゴールで3試合ぶりの勝利

 

Jリーグ屈指のクロス職人が出場直後に大仕事をやってのけた。

ハーフタイム明けから投入された水沼宏太は、後半開始のホイッスルが鳴り響く前から得点のイメージを頭の中で描いていた。

「クロスを上げるから集中していてくれ」

 言葉を伝えた先はファーストトップに入っていたアンデルソン・ロペスだ。

 

 

ふたりは日々のトレーニングで何度も連係を確認していた。その過程で水沼はロペスに対して「クロスを合わせやすい選手」という感触を得ていたようだ。だから自身のクロスから新加入のブラジル人ストライカーがゴールネットを揺らす形を明確に想像できていた。

水沼のストロングポイントは、それを後半立ち上がりのファーストプレーで得点に結びつけて表現すること。『集中力』と『勝負強さ』はプロサッカー選手として生き抜くために最も重要な要素で、32歳になった彼が長く第一線で活躍できている秘訣だろう。

 

 

岩田智輝のパスを受けて右サイドを抜け出し、ランニングしたまま右足を振り抜く。ゴール前で相手のマークを外したロペスにピンポイントでクロスが届く。水沼からボールが来ることを確信していたロペスは「僕は彼の言葉を信じて走ってゴールに結びつけることができた」。マリノスのスピーディーな攻撃と高い次元での連係がFC東京を凌駕し、背番号18と背番号11の新ホットラインが開通した。

 

 

 

ヨコエク

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