「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「F・マリノスに加入して、最初はスピード感や質の高さに驚かされたのが正直なところでした。少しずつ自分の良さであるアグレッシブさを出せるようになって手ごたえを感じました」 加藤蓮インタビュー(前編)

【加藤蓮選手インタビュー(前編)】

実施日:3月25日(月)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

ニューカマーの独占インタビューを公開する。

今季、東京ヴェルディから完全移籍で加入した加藤蓮。

 

 

 

 

ここまでコンスタントに公式戦のピッチに立ち、複数のポジションをこなすなど欠かせない存在になっている。

自身初となるJ1の舞台で、彼は何を考えながらプレーしているのか。

どんな状況でも顔色を変えずに淡々とプレーするのが印象的な24歳の思考を紐解く。

 

 

 

 

初めての公式戦で自分の良さを出せるシーンや通用するプレーもあったので、それは大きな自信になりました。

 

――序盤戦から試合に絡み、左右のサイドバックや一列前のサイドハーフなど、さまざまなポジションでプレーしています。手ごたえを感じている部分があれば教えてください。

「F・マリノスに加入して、最初はスピード感や質の高さに驚かされたのが正直なところでした。とにかくテンポについていくことに早く慣れることを心がけて、意識的に取り組んできました。宮崎でのキャンプを経て、強度の高いトレーニングの中でも少しずつ自分の良さであるアグレッシブさを出せるようになっていったあたりに手ごたえを感じていて、それが序盤戦の試合出場につながったと思っています。F・マリノスデビューの試合だったアウェイのバンコク・ユナイテッド戦で良さや特徴を出せたのも大きかったです」

 

 

 

――始動直後は戸惑いを感じていた?

「いま思えば、の話ですが、その時は自分らしいプレーをあまり出せていなかった気がします。その後、徐々にチームメイトとコミュニケーションを取る機会が増えて、今では共通理解も生まれています。そこに至る過程のところは、自分なりに上手く進められたのかな、と。適応の部分を考えても、シーズンの入りとしては良かったと思います。キャンプの時に戸惑っていたわけではありませんが、時間経過とともにさらに良くなっていったという感覚、手ごたえです」

 

――キャンプ中からスムーズに、あまり違和感なくプレーしていたのが印象的です。

「適応力の部分は自信を持っている部分です。例えばサイドバックなら、どういったポジションを取って、どのようなプレーが求められるのか。自分と味方と相手の立ち位置を考えながら、感じながらポジションを取っていけるのは強みだと思います」

 

 

 

――先ほど「アウェイのバンコク・ユナイテッド戦が大きかった」と話していました。アシストを記録するなど鮮烈なデビューでした。

「試合は引き分けに終わったので満足していませんが、初めての公式戦で自分の良さを出せるシーンや通用するプレーもあったので、それは大きな自信になりました。積極的なランニングとクロスからアシストという形でチームに貢献できたことも大きかった。ただ、失点に絡んでしまうシーンもあって、自分の甘さに気付かされた試合でもあります」

 

 

 

 

――失点に絡んでしまっても慌てるような素振りは見せていませんでした。

「チームメイトが「全然大丈夫だよ!」、「気にするな!」と声をかけてくれて気持ちがラクになりました。個人としては、あのワンプレーで気付かされた部分が大きくて、安易な対応やちょっとした隙が失点につながってしまう。今だから言えることですが『もうひとつ高い意識でやらなければいけないな』と感じたシーンです」

 

――あの場面は相手に置いて行かれたらダメ、と?

「その前のプレーのところで足を止めてしまって、完全に油断していました。そういった一瞬の判断ミスが失点に直結してしまうのがJ1や国際試合のレベルだと痛感しました。それからペナルティエリア内ではよりセーフティーなプレーが求められるし、五分五分のボールへのアクションも難しい。PKを取られてしまうと苦しくなるので、判断と予測の精度を上げていかなければいけないし、事前に良いポジションを取っておくことも大事になります」

 

 

 

――VAR判定への適応も難しいですよね。

「オフサイドディレイがあるので、セルフジャッジで足を止めてしまうと、もしオフサイドがなかった時に失点に直結してしまう。自分としてはオフサイドだなという感覚でも最後までプレーし続けることが大切。これはJ2のリーグ戦では経験できなかったことで、個人としてはJ1昇格プレーオフの時に経験しただけなので、頭を切り替えて体を慣れさせていくしかありません。とにかく最後までついていく、と徹底するのが分かりやすい」

 

――プレッシャーがかかる試合でも落ち着いてプレーしていたように見えました。

「落ち着くという部分で、試合でのファーストプレーは肝心だと思っています。そこでとにかく前向きなプレーをすること。ひとつのクリアにしても、そのボールが味方につながれば大きいですし、相手をしっかりと押し返せただけでも意味がある。自分の思考に対してポジティブにプレーすることを意識していて、ファーストプレーが上手くいくとそのあともノッてきます。「今日はいけるな」という気持ちになれる。ちょっとした競り合いに勝つとか小さなことかもしれないけれど、そこはすごく意識しています。そのあたりも含めてあの試合では上手くゲームに入れたかなと思います。

 ただ、それなりに緊張するタイプなんです(笑)。あの時も新しいステージで戦える楽しみと同時に、緊張しました。できるだけ緊張を楽しもうと意識しています」

 

 

 

 

 

メンタルは強みではありません。人見知りもしますし、口数が多いタイプでもないので(笑)。でも、メンタルがほとんどすべてだと思います。

 

――どの場面でもあまり表情が変わらないですし、緊張するタイプとは少し意外です。

「表情にあまり出ていなくても、内心はだいぶ緊張しています(笑)。バンコクでの試合では、ホテルを出てバスに乗っている時から緊張していました。でも、なるべく緊張をほぐすように外の景色を眺めながら何も考えない時間を作りました。決まらなかったけどシュートを打てた場面が序盤にあって、それがポジティブなファーストプレーでした」

 

 

 

 

 

 

 

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