「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

山東泰山戦で不運に見舞われた永戸勝也はおそらく気合い十分。 あの退場が彼の過失とは思わないが、名誉挽回のチャンスが中3日でやってくるのは好都合だろう [J3節 京都戦プレビュー]

 

ビルドアップの進捗が当面のテーマに

 

結果だけを切り取ってもわかるように、JリーグとACLはまったく別の戦いだ。対戦相手のレベル差よりも、対マリノスに臨む姿勢に大きな違いがある。

今年に入って対戦したバンコク・ユナイテッドや山東泰山は、良くも悪くも自分たちのサッカーを貫いてきた。マリノスの良さを消そうという考えよりも、自らのスタイルで真っ向勝負を挑んできた印象が強い。クオリティで勝るマリノスとしては戦いやすい相手だった。

 

 

対して、試合終了間際の劇的ゴールで逆転勝利を収めた東京ヴェルディや、0-1で黒星を喫したアビスパ福岡は違った。用いた方法論こそ異なるものの、自分たちの主義主張よりもマリノスの強さを押さえ込む戦法を優先。個の能力よりも全体や組織といったグループワークで粘り強い戦いを挑んできた。

おそらくは明日の京都サンガF.C.戦も似たような形の、いわゆるJリーグらしいゲームになる。曺貴裁監督率いる京都が、マリノスにのびのびとサッカーをさせてくれるとは到底思えない。

マリノスのストロングポイントとウィークポイントを見つけるのはあまり難しくないだろう。具体的には水沼宏太が厳しい表情で「自分たちのビルドアップが上手くいかないようにプレッシャーをかけてくるチームだと思うので、それをどうやって攻略していくか。それはここ数年の課題でもある。そこを打開できないとJリーグのタイトルを獲ることはできない」と厳しい表情で語ったとおりである。

 

 

戦力差ではなく、戦い方の違いで結果がガラリと変わる。アンデルソン・ロペスやエウベルの能力で圧倒できれば簡単なのだが、そこに良い形でボールが入らないと苦戦必至。この試合だけでなく、これからも長く続くJリーグで結果を残すための光明を見出したい。ポープ・ウィリアムを起点としたビルドアップの進捗に期待したい一戦だ。

 

 

 

右ウイング、ボランチ、そして左サイドバック

 

山東泰山戦で負傷交代したヤン・マテウスが離脱を余儀なくされた。すっかり右ウイングの主力となったブラジル人アタッカー不在は痛い。ゴールネットを揺らすクオリティもさることながら、時間を作れるキープ力がなくなる影響は大きいはず。

 

 

代役は水沼か、宮市亮か。

 

ヨコエク

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