「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

エウベルとヤン・マテウスはいずれも“ダブル”を狙える特異な個。 そして水沼宏太と宮市亮が担う重要なタスク。 [ポジション別考察FW編]

 

 


ポジション別考察は最終回となるFW編だ。

ストライカーポジションとウイングに分かれるセクションで中心になるのは誰なのか。

昨季から並びや役割は大きく変わらず、移籍獲得した選手もいない。

その背景には、リーグ最多得点を誇る攻撃陣への信頼と、サブにいてもチームを強烈に押し上げる実力者たちの存在があった。


 

 

昨季リーグ最多63得点の攻撃陣は、今季も健在だ。

西村拓真の海外移籍は、このセクションに大きな影響を与えない。宮崎キャンプではMFグループのインサイドハーフに固定され、最前線での起用はほとんどなかった。チーム全体の得点力という観点で考えるとダウングレードは否めないものの、3トップの編成にはあまり関係ない。

 

 

中心にいるのは、もちろんアンデルソン・ロペスだ。22ゴールで得点王に輝いた選手について今さら多くを指摘する必要はない。キャンプ中の練習試合でも大分トリニータ戦で2ゴール、松本山雅FC戦で1ゴールと上々の仕上がり。失ったリーグタイトルを取り戻すべく、鼻息を荒くしている。ストライカーポジションにおける不動の存在で、仮に2トップを採用した場合ではファーストトップとセカンドトップの両方をこなす器用さも併せ持つ。

 

 

それを猛烈な勢いで追いかけるのが植中朝日である。パリ五輪世代の22歳は今が伸び盛り。マリノスでの加入1年目を終えて、悔しさが源泉となって向上心を増している。練習試合で2ゴールした松本山雅戦後には「今日は4点取れた。そっちの気持ちの方が大きい」と唇を噛んだ。

 

 

自信の裏抜けだけでなく、泥臭さや逞しさも身につけつつある。練習ではエドゥアルドや上島拓巳といった屈強タイプのセンターバックと激しく体をぶつけ合い、一歩も引かなかった。「ストライカーは肉弾戦を避けられない」とあえて真っ向勝負を挑む姿勢に、飛躍の予感が漂う。昨季の3ゴールを上回る数字を残すに違いない。

 

 

プロ2年目となる村上悠緋も心身ともに強くなっているが、こちらは編成の都合で両ウイングやインサイドハーフとしてプレーする時間が長い。とりわけ西村が抜けて天野純やナム・テヒが万全ではない状況下なら、インサイドハーフのほうが出場機会を得やすいかもしれない。ゴール前での得点嗅覚に衰えはなく、ルーキーイヤーに得た貴重な出場経験を結果に還元したい。

 

 

ウイングに目を移すと、左のエウベル、右のヤン・マテウスと、両サイドにリーグ屈指のアタッカーを擁している。

 

 

ヨコエク

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