「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

助っ人が持つ別格のスペシャリティ。 エウベルの一撃で5連勝と後半戦最初の勝ち点3を手にする [J18節 広島戦レビュー]

 

追加点こそ奪えなかったものの……

 

アディショナルタイム6分が過ぎて試合終了のホイッスルが鳴り響くと、フル出場した松原健は仰向けになってピッチに倒れ込み、しばらく動けなかった。試合の激しさを物語るワンシーンで、サンフレッチェ広島戦はまさしく死闘だった。

 

 

後半に入ってから攻守が目まぐるしく入れ替わる展開が加速。両チームのゴール前を行ったり来たりする場面が続いた。チャンス、ピンチ、チャンス、ピンチと交互に訪れ、得点と失点のどちらになっても不思議ではない状況に。

 

 

75分、水沼宏太がこれ以上ないタイミングで出したグラウンダークロスを植中朝日が押し込んでゴールネットを揺らす。しかし、わずかなタイミングの差でオフサイド判定に。

 

 

78分には左サイドを力強く抜け出した宮市亮からの折り返しを、再び植中が狙うも相手GKの好セーブに阻まれた。

79分には松原健の乾坤一擲の縦パスから抜け出した西村拓真が右足で狙い、つづく80分には小池裕太からのパスを受けた植中がクロスバー直撃のシュートを放つ。

ドキドキハラハラが止まらない試合で、結局2点目は奪えなかった。決定力に課題と言ってしまえば身も蓋もないが、そういった点でエウベルのクオリティはやはり称賛に値する。

 

 

相手陣内の連動したプレスによって奪ったボールを背番号7が独力で持ち込む。一瞬の加速で相手選手2~3人を置き去りにすると、並行カットインで間合いを計り、GKが予測しにくいタイミングのシュートでゴールネットを揺らす。

「攻撃の選手は数字が大事で、ここまで得点やアシストを出せている」と手ごたえを語る助っ人が持つ別格のスペシャリティが、5連勝と後半戦最初の勝ち点3を大きく手繰り寄せた。

 

 

 

チーム力の底上げと層の厚さを証明した選手たち

 

タフでハードな試合では、これまでのリーグ戦で出場機会に恵まれていない選手たちの頑張りも際立った。

真っ先に名前を挙げたいのは、永戸勝也の出場停止によって左サイドバックで先発した小池裕太だろう。

 

 

ヨコエク

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