【サッカー人気4位】渡邊凌磨「時間帯も良かったし、同点に追いつかれても良いサッ…

「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「プロサッカー人生で優勝を経験できる選手は限られています。それを一度でも経験できたら貴重ですし、ピッチに立って貢献できたら、さらにすごい。何回でも優勝したいです」 [渡辺皓太インタビュー(前編)]

【渡辺皓太選手インタビュー(前編)】

実施日:6月13日(火)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

トリコロールの真ん中に背番号6がいる。

加入5シーズン目の今季は充実の時間を過ごし、押しも押されもせぬ中心選手となった。

2019年と2022年に優勝を経験している24歳の欲は増すばかり。

「何回でも優勝したい」

力強い言葉には、頼もしさすら感じる。

ボランチとしてチームを操るキーマンに、前半戦の振り返りと後半戦へ向けた課題や意気込みを語ってもらった。

 

 

 

 

ゲームコントロールの質をさらに高めていきたい

 

――前半戦を終えて11勝3分3敗。暫定ながら首位に立っています。ここまでの戦いぶりを渡辺皓太選手はどのように評価しますか?

「ある程度はポジティブな結果だと思います。ただ、その中にも課題はありますし、完璧ではありません。後半戦に向けて修正すべきところはあると思います」

 

 

 

――修正ポイントを挙げるとすれば?

「細かな部分が多いです。チームとしては、より安定した試合運びを目指しています。劇的な勝利が多いのは良いことかもしれませんが、試合運びが安定していないという意味でもある。自分のポジションを考えても、ゲームコントロールの質をさらに高めていきたいです」

 

――対戦相手があることとはいえ、自分たちの意識やクオリティでもっと高められる部分でもある、と。

「もっとボールを握れると思いますし、細かなミスを減らすこともできると思います。守備では、自分も含めてもう一歩ボールに寄せるなど、細かな部分を突き詰めれば失点も減るはず。もちろん戦術も大切ですが、個人でも高められることが必ずあります」

 

 

 

――その中で、一度も連敗がないのは素晴らしい。

「すべての試合に集中して臨んでいます。悔しいことに結果が出なかった試合もありますが、優勝するために連敗は絶対にできない。負けてしまった次の試合は、集中力をより高く保てているのかもしれません」

 

 

周りの選手たちが自由にプレーできるように常に気を遣ってくれているのが喜田くんのすごさ

 

――前半戦途中で戦術面の変更があったと思います。どのように受け止め、感じながらプレーしていたのでしょうか。

「大前提として、ベースの部分は変わりません。目指しているのは、チームとして試合をもっとコントロールするということ。ずっと同じやり方では対策されてしまいますし、成長するためには違うアイディアやパターンも必要です。より精度を上げることができると思いますし、みんなの理解度が上がればもっと圧倒できるはず。それをキャンプなどのプレシーズンではなく、シーズン中に公式戦をこなしながらやっていくのは、まさにチャレンジだなと感じています」

 

 

――では、最も違いを感じる部分は?

「言葉にするのは非常に難しいのですが……。僕が感じているのは、以前よりも一人ひとりの選択肢が増えているということです。少し前までは、自分たちが動きながら、相手を動かしていくというスタイルでした。相手や状況よりも『とりあえず動く』というか。ただ、それが裏目に出るというか、相手の術中にハマってしまう試合もありました。いま思うのは『動き過ぎていたのかもしれない』ということです」

 

――以前の戦い方よりも、良い意味で動いていない?

「単純な運動量などの負担は減っているかもしれません。より相手の出方を見るようになっていて、頭を使って考える部分の比重が大きくなっています。いまは相手が(プレッシャーに)出てくるのを待って、出てきたところから剥がしていく、崩していくというイメージ。これはあくまでも僕個人の考えなので、すべて正しいとは限らないと思います。でも、やっていてすごく楽しい」

 

 

――スタイルを具現化するために、ボランチはキーパーソンだと思います。前半戦はほとんどの時間を喜田拓也選手とのコンビで過ごしました。渡辺選手にとって喜田選手はどんな存在ですか?

「すごすぎるので、どういった言葉にしたらいいのかわかりません(笑)。周りの選手がまったくストレスなくプレーできる、と言えばいいのかな。喜田くん自身はものすごく目立ったり、観客を沸かせるようなプレーをするわけではないかもしれない。だから外から見ている人には伝わりにくいかもしれないけれど、一緒にプレーしている選手からすると、ものすごくやりやすい。僕の立場で言えば、まったくストレスなく自分のことに集中できて、攻守両面でいてほしい場所にいてくれる。周りの選手たちが自由にプレーできるように常に気を遣ってくれているのが喜田くんのすごさです」

 

 

――ボランチとして、目指すべきプレーヤー像ですか?

「どんな状況でも『チームのため』という言葉が一番似合う選手。それでいて技術がしっかりしていて、ミスも少ない。タイプは違いますが、ボランチとして目指すべき選手だと思います。本当にすごい人で、尊敬しています。ピッチ上で話し込む場面は少ないかもしれないけれど、それは喜田くんが僕に合わせて動いてくれているからでしょう(笑)」

 

 

(2019年は)試合にあまり絡めなくても、悔しさすらなかったかもしれない。優勝したというよりも、優勝チームにいさせてもらっただけ

 

――あらためてのお話になりますが、2022年はシーズン終盤になってレギュラーに定着し、リーグ優勝を掴み取りました。2019年の優勝とは違う味でしたか?

「正直に言うと、まったく違いました。2019年は優勝した実感がまったくありませんでした。2022年は、ようやく少しチームに貢献できたという手ごたえを感じることができました」

 

 

 

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