「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

瀬戸際の中の選手起用:富澤と下平がメンバー外か [ACL4節メルボルン戦プレビュー] (藤井雅彦) -1,498文字-

 

ここまで3試合を消化して1分2敗のマリノスは、ACLのグループリーグで瀬戸際に立たされている。明日、メルボルン・ビクトリーに敗れたと仮定した場合、他会場の結果次第で残り2試合を残してのグループリーグ敗退が決まる可能性がある。現在、グループ首位の広州恒大が全北現代と対戦して勝ち点1でも獲得、つまり引き分け以上でマリノスが2位以内に入る可能性は完全に潰える。残り2試合を2連勝できればメルボルンと勝ち点で並ぶ可能性はあるものの、その場合は当該チーム同士の対戦成績で0勝2敗となるためである。

4-2-3-1_兵藤藤本ドゥトラ 前半戦3試合を消化しての目論みは「3試合で勝ち点5を取れればと思っていた」と樋口靖洋監督。その内訳は初戦のアウェイ全北現代戦を引き分けで終わらせ、前年度王者の広州恒大とのホームゲームも引き分けで勝ち点1を獲得する。そしてアウェイではあるが格下と目されるメルボルンからしっかり勝ち点3をゲットする。予選突破を争うであろう中国と韓国の強豪に勝ち点3を与えず、勝てるゲームをしっかり勝つという狙いだった。

その青写真は初戦で早くも崩れたわけだが、アジアの舞台という未知の領域に足を踏み込み、さらにアウェイゲームで、しかもコンディションが整っていないシーズン開幕時期だったことを考えれば仕方ない部分もあった(指揮官の采配ミスはいただけなかったが)。それよりも誤算だったのは、先日のメルボルン戦で勝ち点3はおろか勝ち点1すら獲得できなかったことである。対戦相手のレベルを考えたとき、しっかり3ポイント取らなければいけなかった。

その反省を踏まえて、今節は絶対に勝ち点3が求められる。そして前回のようにスタメンの半数以上を変えることはしないだろう。とはいえ、多少のメンバー入れ替えは行われる模様だ。鹿島アントラーズ戦から中3日で臨むゲームについて「コンディションは問題ない」と指揮官は言い切る。それよりも「ゲームをやることによる頭の疲れ」を懸念している。つまりはメンタルコンディションである。したがって「頭も含めてフレッシュな選手を起用していかないと」(樋口監督)という采配になりそうだ。

 

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ACLの場合、試合前日練習は非公開となるが、1日は主力と控えを分けての紅白戦を実施していない模様だ。これがエイプリルフールでないのであれば、選手たちでさえもスタメンを把握してない状況ということになる。ただし富澤清太郎と下平匠がメンバー外になったのは明らかで、ボランチには小椋祥平や三門雄大、あるいは熊谷アンドリューが起用されるだろう。左SBはドゥトラがベンチ入りしているが、相手のサイドアタッカーにスピードがあることを加味すると奈良輪雄太のスタメン起用も十分にありうる。CBもいずれかの主力を休ませてファビオを起用する可能性が高い。

一方で前線の顔ぶれについてはリーグ戦と変わらないはず。それはやはり勝つために得点が必要で、あるいは主力と控えの実力差が少なからずあるからだろう。左ふくらはぎ痛の齋藤学を除く面々ではあるが、中村俊輔を中心に奮起してもらいたい。まずは決勝トーナメント進出に望みをつなぎ、同時にリーグ戦2連敗のショックから立ち直る勝利を手にしたい。

 

 

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