「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

遠征メンバー18人の陣容 [ACL第1戦/全北戦 前々日レポート] (藤井雅彦) -1,305文字-

富士ゼロックス・スーパーカップから中3日でACL初戦を迎える。これがホームゲームならば負担ではないのだが、いきなりのアウェイスタートだから厄介だ。マリノスは国内のアウェイゲームの場合、北は札幌、南は九州まで、一貫して前日入りを行う。唯一の例外は隣接する市で行われる川崎フロンターレのアウェイゲームのみだ(当日にバス移動する)。そのほかは飛行機や新幹線、鹿島や甲府あたりならばバス移動で前日の夕方頃に現地入りし、前泊して試合に臨む。

海外の場合、いろいろと余計な時間を必要とする。韓国への国際線飛行時間は九州よりも少し長い程度で大きな差はない。時間にして約2時間30分で、余談だがこの時期の費用は九州に飛ぶよりも安いかもしれない。ただしソウルに入ってからの移動やアクシデントのリスクを考慮し、チームは2日前に現地入りする選択をした。ソウルから試合会場のある全州にはバス、電車のどちらを使っても3時間前後の時間を要する。さらに試合当日に帰国するのは時間的に不可能のため後泊を余儀なくされ、全日程は3泊4日となる。ナビスコカップの予選リーグを含めた連戦よりも移動距離と時間が長い。その蓄積が疲労となり、コンディション低下を招くのだろう。

 

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チーム内に目を移すと、今回の遠征メンバーは通常と同じ18人である。アクシデントに備えて19人目をスタンバイさせておくという選択肢もあったが、樋口靖洋監督の判断は違った。「アウェイで移動も長いし、そうなると練習量が落ちてしまう。けがで微妙な選手が出てきたら人数を多く連れて行くことも考えるけど、この時期であれば残ってしっかりコンディションを上げることも大事」。もちろん一戦必勝だが、チームマネジメントという点ではまだ2月の1試合にすぎない。

あえて横浜に残るという選択肢の対象はドゥトラだろう。ゼロックス杯を見る限り、コンディションが上がりきっていないのは明白。思い返せば昨シーズンの今頃は誰もが40歳間近の彼のパフォーマンスを不安視していた。それが開幕後のハイパフォーマンスでそれを忘れている。彼が本領発揮するのはもう少し先のこと。今回はみなとみらいにとどまり、自らにフィジカルトレーニングを課して調整する模様だ。左SBは下平匠の先発出場が濃厚となる。

また、ゼロックス杯翌日から練習グラウンドに姿を現していない矢島卓郎は体調不良のため韓国遠征に帯同しなかった。無事ならば先発出場が予想されており、樋口監督も「収まりどころとしてどう機能するか見たかったというのはある。押し込まれた展開のときに彼が競ることで全体を押し上げることできる」と期待していただけに残念な離脱となった。

チームは24日夕方に日本を経ち、敵地に乗り込んだ。遅ればせながら筆者も夜には韓国入りし、前日の公式練習から取材を行う予定だ。極寒が予想されるアウェイの地でマリノスの選手が勇猛果敢に戦う姿を想像し、2日後を楽しみに待ちたい。

 

 

 

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