「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

天野純が一球入魂のクロス。前田の2桁得点に王手をかける今季9点目で、3試合ぶりの勝利を手にする [J16節 大分戦レビュー]

 

指揮官の決断

喜田拓也や扇原貴宏は負傷でメンバーから外れたわけではない。

前節から中3日で臨むミッドウィークの試合だったが、大分トリニータ戦はカップ戦ではなくリーグ戦だ。そしてアンジェ・ポステコグルー監督は開幕前から「ある程度メンバーを固定していく」と明言している。にもかかわらず、これまでチームの中軸を担ってきた背番号8と背番号6を先発どころかベンチからも外したことには、間違いなく意図がある。

 

 

理由は現時点で明かされていない。ただ鹿島アントラーズ戦の黒星と柏レイソル戦の引き分けを経て、そこでの彼らのパフォーマンスを振り返った時に、何かを変えたかった、変えるべきタイミングだったのだろう。少なからずリスクのある采配を涼しい顔でやってのける。ポステコグルー監督のすごみである。

とはいえプロの世界である。結果が出なければ批判の声にさらされても仕方ない。だから岩田智輝と渡辺皓太にかかる期待と、同時にプレッシャーは大きかったはず。試合前、監督はこんな言葉を選手たちに伝えたと明かす。

 

 

「準備してきたのは落ち着いてプレーすること。タフなゲームで0-0が長く続いたとしても慌てないことが大事だと選手に伝えた」

 まさに予言通りの展開で、前半から圧倒的に押し込みながらも82分まで得点を奪えなかった。悶々とする時間が長く続いたが、それでも選手たちは慌てていなかった。その象徴が久しぶりに先発で起用されたダブルボランチだった。

 

 

前田は東京五輪本大会のメンバー入りが有力視される存在

決勝ゴールは岩田智輝のインターセプトから始まった。試合序盤こそパス精度の乱れが先行したが、時間経過とともに持ち直し、特に守備面で強度を発揮していった。力強さと出足の鋭さを生かしたボール奪取はマリノスの大きな武器となった。

 

ヨコエク

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