前線は1トップ2シャドーへ。マルコスはブロックを作って守るセレッソ相手に自由を謳歌し、エリキも中央寄りのポジションで自由度が増した。スタイルが息づいている確認はできた [J16節 C大阪戦レビュー]
ポステコグルー監督の決断は、3バックの継続だった。
名古屋グランパス戦で負傷離脱した實藤友紀のポジションには伊藤槙人を10試合ぶりに先発起用。畠中槙之輔とチアゴ・マルチンスはポジション据え置きのままの3バックだ。
中盤と前線の配置には手を加えた。前節は喜田拓也がワンボランチで広大なスペースを埋めたが、セレッソ大阪戦では和田拓也と渡辺皓太がダブルボランチを組む。ポゼッション能力に優れる両選手がバランスよく動き、ボールを引き出し、攻撃を展開していく。まさしく潤滑油の働きで、新たなダブルボランチ候補が躍動した。
前線は両ウイングがタッチライン際に張り出す3トップから1トップ2シャドーへ。システムやポジションに関係なく輝いたのはマルコス・ジュニオールで、ブロックを作って守るセレッソ相手に自由を謳歌。味方から縦パスを引き出して攻撃を加速させ、決定機を作っていく。また、ウイングで本領発揮できていなかったエリキも中央寄りのスタートポジションになったことで自由度が増した。
前半だけでシュート14本を放ち、パス本数は相手の2倍に近い400本以上を記録。ほぼパーフェクトなポゼッションで相手を押し込み、マリノスは殴り続けた。だからこそ「前半のうちに決めておかないといけない試合だった」(和田拓也)。チャンスを決定機に、決定機をゴールとして完結させる必要があった。
それでも後半開始直後にエリキの今季2点目で先制できたのだから、だいたいは勝ち試合の流れだろう。敗因は一発退場によって数的不利の戦いの強いられたことで、あまりにも無念。連敗ストップとはならなかった。
ただし相手の性質の違いを差し引いても、前節の名古屋戦からかなり内容を向上させたことも間違いない。中3日の連戦で準備時間はほとんどなかったにもかかわらず、チーム全体のベクトルがしっかり定まっていたことは驚きに値する。
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