「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ようやく決めた水沼のマリノス初ゴール。ユース所属時代の2007年10月27日に2種登録選手としてプロデビューしてから、ここまで約13年かかった [J23節 C大阪戦レビュー]

 

待ちに待ったマリノス初ゴールの瞬間は、セレッソ大阪戦の後半アディショナルタイムに訪れた。

マリノスは左CKをショートコーナーで開始。ボールを受けたティーラトンは狙い澄ましたアーリークロスをゴール前へ。ファーサイドでフリーになっていた水沼宏太はスタンディングヘッドで叩きつけてゴールネットを揺らした。

 

 

ゴール後は笑みひとつこぼさず、試合再開に備えて自陣へ疾走した。得点してもチームがビハインドの状況は変わらない。どんな時も勝利を最優先する信念に従い、自身の個人的な事情は二の次という様子だった。

古巣相手に強さを発揮するのは、マリノスのファン・サポーターが一番よく知っていることだろう。

水沼のJ1初ゴールはサガン鳥栖在籍時代で、相手はあろうことかマリノスだった。セレッソ大阪時代にもマリノス戦でゴールを量産し、元日の天皇杯決勝でもゴールネットを揺らした。負けん気の強さ、精神力の強さは彼が持つ大きな武器である。

9年半ぶりにマリノスに舞い戻った水沼にとって、今度はセレッソが古巣になった。前回対戦では終了間際の出番でインパクトを与えられなかったが、今回はしっかりと爪痕を残した。セレッソからの契約延長オファーを断ってまでマリノス復帰を決意した男は、ゴールという形で存在価値を見せつけた。

 

 

ここまでリーグトップの7アシストを記録している。正確なクロスはトリコロールの新しい武器となり、得点パターンを増やすことで大きく貢献を果たしている。限られた出場時間を考えれば特筆モノのアシスト数である。

だがゴールだけが遠かった。

 

 

ヨコエク

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