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化学反応か? 具体化の段階に入ってきたように映るマリノス戦のFC東京【2023 J1第16節 FC東京vs.横浜FM 本音Column】

 

強さがにじむ青赤軍団。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 それでは、試合レポートのあとに書く本音コラムをさっそく始めていきたいと思います。
 
 2022年6月26日のJ1第18節サガン鳥栖戦以来342日ぶり、あるいは48週間と6日ぶり、約11カ月ぶりの先発出場となった青木拓矢。試合後の記者会見では、アルベル監督が「今日の青木のプレーは本当にすばらしかったです。あのようなプレーが出来る選手を私は期待しています」と絶賛する出来栄えでした。もともと昨年、森重真人でなければアンカーを任せる選手は青木であろうということでスタートしたわけですから、当然と言えば当然かもしれないですね。34分の同点ゴールも、起点は青木が右の仲川輝人に出した長いパスでしたし。攻守両面に於いていかにも「アンカー」というプレーでした。
 
 ここでアルベル東京最初の問題に立ち戻ります。すなわち、選手が揃っていなくともアルベル監督が考える4-1-2-3のサッカーを推進していくべきか、それとも選手が揃うまでアルベル監督が望む方向性のサッカーは封印するべきか。しかし封印してしまってはアルベル監督を招いた意味がないですし、アルベル監督も「既存の選手たちが努力してレベルアップしてくれていることを私は本当に評価していますし、とても満足しています」と言っているのですから、やはり指揮官が望む方向に進むしかないでしょう。4-1-2-3はある程度出来る、ということを青木が証明した以上は、現在の選手が出来る限界まで、主体的にボールを動かすプレーと背後を衝いていく速攻のミックスを進めるべき、ということになるかと思います。
 
◆同じスコアだけど意味はちがう
 

若干の変化が? アルベル監督。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 そもそも東京がどうしてここまで苦しんだのかと考えると、11カ月間の青木不在が物語るように駒不足ということもあるかと思いますが、もしかすると大きなヴィジョンを立ててグランドデザインから入ったアルベル監督が、その教育者的なアプローチを長く引っ張りすぎたせいもあるのではないか──という気がしてきました。そして少し遅かったかもしれないですが、マリノス戦の試合と監督会見での話し方を振り返るかぎり、アルベル監督が現実的なというか、一般的な監督寄りのアプローチをするようになってきているのではないかという気がしています。
 

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