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退場後の形勢不利を覆せず敗戦も、今シーズンベストの内容。森重真人「サポーターの前で情けない姿を見せられなかった。勇気ある戦いを90分通して出来たのではないかと思う」【2023 J1第16節 FC東京vs.横浜FM】

 

アンデルソン ロペスに2ゴールを許したものの東京の守備戦術そのものは機能していた。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 FC東京は6月3日、味の素スタジアムでJ1第16節横浜F・マリノス戦に臨み、2-3のスコアで敗れた。前半開始直後、1分も経たないうちに先制を許したものの、気落ちすることなく反撃に転じて前半45分間のうちに逆転した。しかし後半17分に2-2の同点とされたあと、小泉慶が膝を痛めたことにより後半開始から途中出場していた松木玖生が後半24分に退場処分となり、東京は数的劣位に。ひとり少ないなかでも攻撃的な姿勢を堅持したものの、最後は堪えきれず3失点目を喫し、1点差で敗れた。
 
 しかし攻守ともに1週間仕込んできた戦術が嵌まり、内容的にはディフェンディングチャンピオンのマリノスを相手に五分以上の出来。ボール保持からの前進と背後を衝く攻撃が融合したスタイルとマリノス対策を両立させた準備が実り、ひとつの基準を示したという意味では、確実に歩みを進めたと言える試合だった。
 
◆拍手してくれたファンサポーターの期待に応えないといけない
 

疑問点に対し、具体的に説明したアルベル監督。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 勝敗に直結したのは松木の退場。そしてその松木を早い段階から投入することになったのは、小泉の負傷によるもの。この日の東京にとってはよくない流れがつづいていた。後半開始時の交代の狙いを問うと、アルベル監督はこう答えた。
 
「慶と玖生の交代に関しては、あくまでも慶の膝の痛みがあったので、急遽おこなった交代です。戦術的なものを何か探したというわけではなく、けがによる交代でした。
 玖生には今日は10分から15分ほどプレーさせようと計算していましたけれども、予定外のかたちで、ああいう早い段階で投入することになりました。
 試合の展開によっては今日、起用しない可能性もありました。(小泉慶が傷まず出つづけて、かつ)安部柊斗が90分間出来ていたら玖生を投入せずに試合を終えていた可能性も十分ありました」
 
 松木が退場となるまでは互角の戦いであり、さらに言えば小泉がプレー出来ていた前半45分間に関して言えば、東京がマリノスを上回っていた。マリノス戦に向けた1週間で守備と攻撃の戦術を徹底して仕込んだ成果だった。その準備について、アルベル監督がこう詳らかに説明する。
 

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