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追い込まれて勝ったFC東京。ある意味いつもの東京、これで次に負けたらそれこそいつもの東京【2023 J1第13節 FC東京vs.川崎 本音Column】

 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 いつものことですが、最近特にいろいろなことがあって、ようやく落ち着いて本音コラムを書ける時間が一瞬とれました! さっそく進めていこうかと思ったのですが、やっぱり本題に入る前にピッチ外のことをまとめておきますね。
 
 まず申し上げておきたいのは、私は記者で真にリベラルな立場なので、FC東京内でもいろいろなスタンスの人に会って話しますし、もちろん他クラブの関係者、ファン、メディアの方などとも会って話します。タグマだけでなく注文をいただければいろいろな媒体に原稿を書きますし、意見が対立する事柄については複数の記事を掲載することでバランスをとろうと考えています。
 
 観客としては、以前は複数クラブのゴール裏にまぜてもらっていたりもしたので、コアな応援の楽しさもわかっていますし、現在は身体に不安があるのでまあチケットを買って入る場合でもおとなしく観ているだろうなという感じで、ゴール裏の感覚もライトな感覚も持ち合わせているつもりです。この辺りの考え方の差異で、地蔵問題をはじめとしていろいろな論争がしょっちゅう起こることもわかっています。
 
 東京の場合はエンブレムをきっかけに論争が頻出する光景が日常化しつつありますが、引いた視点で見ると、コアとライトの人種のちがいというだけでなく、時代の端境期で自然に軋んでいるところもあるのかなというのが、率直な感想です。
 
 年齢に関係なく、1990年代から2000年代というのは、そのときを過ごした日本のサッカーファンやサッカー関係者にとって青春時代だったのだと思います。そういうふうに原初的なパワーというか、初期衝動が物事を動かしていく時代というのは、いつまでもつづくわけではない。東日本大震災やコロナ禍を経て、今後、ある程度その世界が確立されたあとの成熟期をどう生きていくかという時代に入ったところで、じゃあJリーグどうするよ、各クラブどうするよ……という身の処し方が問われている。こうすればいいという正解があるわけではないので、よく言えば百家争鳴の状態になる。相手をなじりさえしなければ、有益な議論になるのではないかなと思うのですが。
 
 モンテディオ山形は動きが早かったですね。コロナ禍で座して死を待つわけにはいかないとばかり、創立25周年を機にエンブレムやロゴを変更。アイデアを次々に投入して、つい先日は小学生児童の観戦を想定して平日の昼間にJリーグ公式戦を開催。ピッチ内では、スタイル構築の大きな方向は変えず、ピーター クラモフスキー監督から渡邉晋監督に指揮官を交代。FC東京U-18出身の横山塁も活躍するイキのいいサッカーを見せる。
 
 東京はかつてSOCIOを30,000人にまで増やそうとした計画が頓挫、村林裕氏が経営トップから退いたあと、その制度を精神とともに継承するのか、それとも刷新していくのかが見えてこない。前述の“青春時代”に、少し強固に制度をつくったがゆえにレガシー化して改良の手がつけにくくなっているのかもしれないですね。
 
 正直、変えるも変えないも難しい状況になっていて、いまはひとまず、クラブがこのあとどう動くのか、そこをまず見守るしかないのかなと想っています。といったところで、試合レポートのあとに書くコラムを始めさせていただきます。
 
◆一部報道について思うこと
 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

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