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ディエゴオリヴェイラ「いつもどおりにゴールを決めたい」と、多摩川クラシコに向け静かな自信【無料公開】

 

©F.C.TOKYO


 2020年10月のFC東京は、等々力で川崎フロンターレと二度相まみえた。一度目は10月7日のルヴァンカップ準決勝。守備を重視して臨んだ東京が川崎の攻撃をことごとく跳ね返し、レアンドロの2ゴールで勝利を収めた。二度目は10月31日のJ1第25節。東京はこのシーズンかぎりで引退する中村憲剛に後半29分、決勝点を許して2-1で敗れたが、一時はディエゴ オリヴェイラのゴールで1-1と同点に追いつき、一矢を報いた。後半12分のことだった。
 アルトゥール シルバから斜めのパスを受けたディエゴは左の大外を駆け上がる中村帆高に展開。そこからマイナスに折り返されると安部柊斗はダイレクトのタテパス。これを予測しあるいは安部と呼吸を合わせて抜け出たディエゴは少し持ち運んでニアを左足でぶち抜いた。今シーズンのピーク時を思わせるコンビネーションのさきがけだったが、最後は連続でディフェンダーとの駆け引きに勝ちシュートまで持ち込んだ個人技が光った。
 ディエゴは柏レイソル時代にも等々力でゴールを決めている。そして「いろいろなゴールを決めてきましたが、それも過去のこと」と言い、それを鼻にかけるようなことはしない。しかし「いつもどおりに自分のプレーをしてゴールを決めたい」
とも。結局、川崎を相手にしても得点への自信は変わらないようだ。
 
 前節、浦和レッズ戦の敗因については「もちろんしっかり休めて試合に臨めるというのが理想ですけど、それが敗因ではないと私たちは思っています」と言い、疲労をエクスキューズにしなかった。
「いままでもそうですが、タイトな日程のなかで戦ってきました。前回の浦和戦も疲れていたと言えばそう言えますけれども、それが敗因というわけではありません」
 2020シーズンは19連戦を戦い抜いた。言い訳をする必要はないということなのだろう。まして次の多摩川クラシコは中一週間。実力差のみが露わになる。三笘薫と田中碧が抜けても1位から落ちてこない川崎が相手では、体力の問題がなかったとしても厳しい試合になる。しかし下馬評で川崎が圧倒的に有利であるのは昨年も同じだった。あのルヴァンカップのような守備とJ1第25節のようなディエゴのゴールがあれば勝てる。ディエゴの一撃に、一縷の望みが託される。
 

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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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