青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

【有料記事/J1第8節対ヴァンフォーレ甲府第2報】ショートレポート+Review◆流れを変えられない東京、甲府に痛み分け。改善が負担となり、すり合わせ要素が雪だるま式に増えるおそれ(2016/04/24)

【ACL第5戦ショートレポート】4月24日午後、FC東京は山梨中銀スタジアムでヴァンフォーレ甲府とのJ1第8節に臨み、1-1で引き分けた。前半15分、甲府は右コーナーキックでショートコーナーを選択。河本明人からボールを受けたビリー セレスキーは山本英臣から返ってきたボールを右から中央の河本へパス。河本がこれを浮き球でゴール前に送ると、左後方から走り込んできた稲垣祥がスライディングするように蹴り込み、甲府が先制した。個の得点力はなくとも、ゴールに流し込む技術さえあれば、組織力で得点できると証明するかのような先制ゴールだった。
このあと、ファーストハーフの残り時間は甲府が一方的にチャンスをつくりつづける展開。19分には東京のミスパスをカットした河本から左サイド奥へと走るクリスティアーノへと長いボール(※このパターンは試合中何度も繰り返された)、これを右へとセンタリングするがゴール前の稲垣に合わず。やはり19分、フリーキックをクイックリスタートしたボールを、左サイドを駆け上がった田中佑昌(左ウイングバック)がフリーで悠々と受け取り、シュート。ボールはわずかに右に外れた。23分にはクリスティアーノから右に入ってきたディフェンダーの新井涼平にパス、新井の浮き球は河本に合わずゴール左にアウト……。東京のチャンスは7分に河野広貴がクロスバーに当てたボレーシュート、9分に平山相太がキーパー正面に撃った右足シュート、43分に河野の右コーナーキックにヘディングで合わせた森重真人のシュートが左に逸れたシーンくらいのもの。失点以降はあきらかにナーバスな雰囲気が漂い、実直にプレーをつづける甲府に圧されっぱなしだった。
セカンドハーフは立ち上がりから東京が個の力を活かして猛攻。クリスティアーノに危険な場面をつくられはするもののペースを握り、後半18分、駒野友一の左コーナーキックを平山が打点の高いヘディングですらすように決め、ついに1-1の同点とした。
しかしそのあとは攻めあぐねる東京に対して効果的なカウンターを繰り返す場面が増えた。アディショナルタイムには甲府に最後のチャンス。田中のクロスに途中出場のチュカが頭で合わせたが、これはゴール右に外れ、得点とはならなかった。東京はゴール前までボールを運ぶものの甲府の集中した守備を突破できず、2点めを奪えなかった。
後半45分間はよくなったとはいえ、前半はACL第5戦の後半のように不安に充ち、いまだチーム状態がスランプを抜けきっていないことを示した。いっぽうの甲府もいいゲームをしながら勝ちきれず、満足とはいえない結果に。双方が得をしない引き分けに終わった。

**********

【Review】城福浩監督が試合の前に掲げていた三要素を意識した試合になってはいた。危険な場面を多くつくられたものの、

(残り 2224文字/全文: 3392文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ