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【今週の小平】レポート◆Jで己を磨く。激化する競争に決意も新たな太田宏介と武藤嘉紀/コメント◆武藤嘉紀、太田宏介「(チャントは)まだ東京でもあまり浸透していないから(笑)、歌えているひとがあまりいなかった」(太田)(2015/04/02)

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レポート◆Jで己を磨く。激化する競争に決意も新たな太田宏介と武藤嘉紀/コメント◆武藤嘉紀、太田宏介「(チャントは)まだ東京でもあまり浸透していないから(笑)、歌えているひとがあまりいなかった」(太田)

代表組も帰ってきたし、チームが活性化して、またピリッとしたいい雰囲気で練習ができたので……いままでにないチームの厚みというか、いい意味でたくましくなっていると思うし、そういうなかで結果を積み重ねていきたいなと。ほんとうにチームがブレずにやれていると思います。――石川直宏

最上級のゴールでファンを熱狂させた日本代表経験者が、いま代表に挑んでいる後輩の帰還によってあらためて選手層の厚みを確かめたひとことには実感がある。Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ Aグループ第2節、対松本山雅FC戦のスターティングメンバーは昨シーズンのレギュラーとほとんど変わりがないように見えたが、それでも日本代表選手が四人、U-22日本代表選手がふたり、故障者がふたり離脱した状態だった。

対戦チームとの相性や採用する戦術への適合性も加味した選抜があり、誰でもナビスコに出場できるわけではない。この競争に勝ち抜いて公式戦のコートに立つことで、ようやく日本代表選考の枠組みに入ってくる以上、クラブでの日々の研鑽が代表選出への必須条件であることは明白だ。日本代表合宿は永遠ではなく、代表チームとしての練習は日常ではないから、国際規格を意識した練習にふだんから取り組んでいくしか、鍛える方法はない。

海外組は、所属するメガクラブに戻れば、それがもっとも厳しい環境だから不足はない。強豪ではないクラブに所属していても、チーム内の競争は激しく、対戦相手の上位チームは世界のトップだから、彼らもまた不足はない。しかしJリーグで対戦するJクラブには、残念ながら現時点ではそれほどの強度は期待できない。対戦相手にかかわらず、高い基準を想定し、自らを律して向上させる。本場と隔たりのある日本ではこの意識が欠かせない。だが、やらないといけない。いまよりも遙かに欧州の情報、海外との交流が乏しかった時代の日本代表は、ベストを尽くしてベルリン五輪やメキシコ五輪で成果を残している。進化のスピードが速くなっているのはたしかだが、環境もより恵まれたものになっている。Jでも力をたくわえることはできるはずだ。

「からだを大きくしろと言われました」(武藤嘉紀)
武藤によれば、代表選手たちは軒並みフィジカルの不足を指摘されたようだ。これはサイズや実際の当たりの強さなどさまざまな要素を含んでいるようで、バヒド・ハヒルホジッチ監督は個別にメニューを組み、各選手に渡すだんどりになっているという。
もちろん、それぞれの選手が所属するクラブチームにはそれぞれの方針があり、コーチングスタッフやメディカルスタッフとの調整が必要で、どこまで日本代表チームの意向が反映されるかは事例ごとに異なるだろう。

「前からプレスをかける守備は東京とは真逆なので、それは勉強になりました」(太田宏介)
フィジカルの対する考えや調整法もそうだが、チーム戦術もクラブチームごとによってちがいがある。FC東京と日本代表を比較すると、大田の言葉どおり、戦術の基本となる守備の方法が大きく異なる。だから東京で練習したことを直接、代表に反映させられるというわけではないが、それでもちがいを認識しながら取り組むことで成果は上がるだろう。

代表選手の畑となるためにクラブがあるわけではないにしろ、クラブでの成果が評価となり、代表選出につながることはたしかだ。そしてそれが選手の目標設定に役立つのであれば、代表を意識して練習に励むことも、否定されることではないだろう。
要は、いかに高い質を追求するか。その一点に関しては代表にもクラブにもちがいはない。再び代表に招集されるその日まで、選手たちには、小平で心血を注いでほしい。

◯武藤嘉紀の談話
からだを大きくしろと言われました。
強さが足りないと。メニューもしっかりつくってくれると(ハリルホジッチ監督は)言っていました。

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