青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

【第5報】レポート◆明治安田生命J1リーグ第2節FC東京対横浜F・マリノス/釣り堀で時が過ぎるのを待つような東京のサッカーには、もう一段階の上積みが必要(2015/03/15)

レポート◆明治安田生命J1リーグ第2節FC東京対横浜F・マリノス/釣り堀で時が過ぎるのを待つような東京のサッカーには、もう一段階の上積みが必要

「マリノスは無失点が当たり前のチームですから」
試合後、横浜F・マリノスの中澤佑二はFC東京を無得点に抑えたことで充実した表情を見せていた。栗原勇蔵とのセンターバックコンビで防波堤を築き、昨年はリーグ最少の29失点。2013年も優勝したサンフレッチェ広島よりも2点多いだけの31失点だった。ここ数年は、一試合に1失点以下、失点ゼロが珍しくないチームカラーだという中澤の言葉に嘘はない。
マリノスは開幕戦で3失点を喫して敗れた。そこからの立ち直りに勢力を注いだことはあきらかだった。
この試合から合流したアデミウソンがセカンドハーフに訪れた絶好の決定機をものにしていれば勝てた試合だったが、それを深刻に悔やむ様子はない。当のアデミウソンは「惜しいシーンがありましたが……」と問われると苦笑い。「まあ、あれはね、ちょっと忘れたいくらいなんですけれども(苦笑)。次にチャンスがあればぜひそれを活かしてゴールを決め、チームに勝利を与えられるようにしたいと思います」と、悪びれるふうはない。
エリク モンバルツ監督も「合流してまだ一週間でコンディションが整っていない。あと何週間かすれば、本来の力があらわれてくると確信している」とアデミウソンをかばった。
決定機の多かったマリノスにとっては勝点2を失ったとも言えるが、無失点という本来の状態に戻したという意味では、今後への励みとなる勝点1を獲得したとも言える試合だった。

いっぽうのFC東京は、追いついて引き分けたおかげで戦勝ムードにつつまれた開幕戦のあとで、そこからは退歩にも映るシュート2本の引き分けとあって試合の結果そのものを喜んでいる選手はひとりもいない。
しかし開幕戦で2失点を喫した状態から無失点という本来あるべき状態に引き戻したという意味では、東京もマリノスと同じだ。

複数失点への反省から、もともと守備的な両チームが、いつもよりもリスクを回避し、さらに守備的になったように見えた。
東京もマリノスも、負けることを嫌がっていた。

(残り 2119文字/全文: 3021文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ