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課題噴出。鹿島越えならず【ショートレビュー/マッチレポート】2013 Jリーグディビジョン1 第13節 鹿島アントラーズ対FC東京_第1報(2013/05/25)[3,841文字]

◆ショートレビュー

現状、FC東京が抱える課題が噴出した試合になった。詳細な分析はあらたえておこないたいが、いまの時点で言えることを手短に述べておこうと思う。
東京はラインを高くしてパスをつないで攻めるサッカーを志向しているが、この「方針」ひとつではすべての対戦相手に対応し、すべての時間帯を乗りきることはできない。一度圧力をかけられ、スピードが速く精度の高いサイドアタックを仕掛られてからは、東京はほとんど為す術がなかった。
0-2とリードされた鹿島アントラーズが、セカンドハーフのキックオフから圧力をかけてくること、サイドのウラのスペースを使ってくることは予想できていたと思うが、東京はそ
の時間帯についての特別なコンセプトを立てずに臨んでいた。高橋秀人は「1失点した段階で守り方を考えるべきだった」と反省している。
鹿島はファーストハーフから落ち着き払っていた。失点後も冷静に攻め、東京はいつ失点してもおかしくないような、危険な匂いのする攻撃にさらされた。
もっとも、鹿島を相手に、このペースを握られる時間が長かった前半45分間のうちに巡ってきた決定機をきっちり決めて2点を獲る、といったことはいままでになかったこと。この成果については半歩前進といえる。そのかわり、0-2とリードしたことで、いままでに経験したことのない鹿島の本気を引き出してしまい、それに対応することはできなかった。
いみじくも戦前に権田修一が語っていたように、試合ごとに課題が出る、まさにその状況に東京は直面した。試合後、権田は「2-0になったときにこれから何が起こるかイメージしておけば、少なくとも逆転はなかった」と率直に反省をしていた。
課題が見つかったこと自体は悪いことではない。まだまだ経験が足りず、力も足りないということ。真摯に取り組めば、必ず向上できる。この敗戦を成長に向けた糧にしてほしい。

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