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「ドイツ・ハノーファー96からアカデミースタッフ2名がスクール生対象の特別サッカー教室が開催」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】

11月11日、ハノーファー96からサッカースクールチーフのアーネ・キューベックさん、アカデミーGKトレーニングコーディネーターのローランド・ラッシュさんがスクール生対象の「ハノーファー96特別サッカー教室 powered by TANIOBIS」を城里町「アツマーレ」で開催しました。
低学年37名、高学年44名が参加し、ハノーファーのトレーニング指導やドイツ語に触れる体験をしました。

【写真 米村優子】

アーネコーチがまず行ったのは、ジェスチャーに対して直ぐ様アクションをするトレーニング。
スクール生はハーフコート内でドリブルをしながら動き回り、アーネコーチが両手を挙げた場合はボールに座る、片手を挙げた場合はボールに跪くなど、俊敏なプレーを実施しました。
スクール生はドイツ語で「はい」を意味する「ヤー」と元気良く返事をしながら、一生懸命に取り組みます。
次にハーフウェーライン手前でシュートを打ち、打った直後に対面の選手からのシュートを防いでゴールを守るという一対一のトレーニングを実施しました。
アーネコーチは「良いポジションにいない相手をすぐに攻撃しよう」とアドバイス。
そして、全員がプレーに挑んだ後、一度、スクール生達を集めて「どんな時にゴールが決まった?」と問いかけます。
そして、参加者から意見を引き出した後、ディフェンスが整う前に思いっ切り打つこと、正確に枠内に収めること、左右の角を狙うことの大切さを指導していました。
そして最後に全員で円陣を組んで、「水戸!ハノーファー!」と威勢良く叫んで締め括っていました。

【写真 米村優子】

ローランドコーチはハーフコートを使用した2対2のミニゲームを実施。
コーチがボールを入れた直後から両サイドから2名ずつが飛び出し、限られたスペースの中で個の力や味方と連係してゴールを奪うという内容です。
フィジカルも年齢も異なる初対面の相手と組んで、ボールを持った時の瞬時の判断を磨くトレニーニングに対して、「一対一の局面で、ドリブル、パスどちらの選択をしたらよいか。常に考えながらプレーすることが大事」とアドバイスしていました。

【写真 米村優子】

参加した水戸校のテクニッククラスに所属する萩原彩斗選手(小4)は「ドイツのコーチ達は教え方が丁寧でプレーをして面白かったです。ミニゲーム中に『そこ見えていた?』と聞いてくれて、自分の思いを伝えたらすぐにアドバイスをして直してくれました。ドイツの練習はパスなど基礎練習からではなく、いきなりゲームなどから始まったのが楽しかったです。事前にドイツ語サッカー教室を受講していたのですが、『ヤー』『ダンケシェーン』など色々な場面で学んだドイツ語を使う機会がありました。今日学んだことを試合で活かして、自分をアピールしていきたいと思います」と充実の内容だったことを話しました。

【写真 米村優子】

ひたちなか校のアドバンスクラスに所属する田村優斗選手(小4)は「いつもと違うコーチと違う練習をして、ドイツ語も前よりも覚えられましたし、楽しかったです。FWなので、アーネ先生から教わった事を活かして、ペナルティーエリアから打って決めてみたいですし、一対一で負けないでボールを取って決める所まで運びたいと思いました」と今後の意気込みを話しました。

【写真 米村優子】

小学校高学年対象にドイツ語サッカー教室を開催していた竹内健人C&L監督兼普及コーチは「ハノーファーのコーチ達が大事にしていたのは、『なぜそのパスを選んだの?』など子ども達に問いかける行為。子どもの考えを引き出して、アイデアを尊重することが重要だと改めて気付かされました。定期的にこのような交流があると、子供達にとってサッカーだけじゃなく生活面でも刺激となりますし、今回参加したことで外国語を喋りたいと感じてくれたら嬉しいです」と語りました。

【写真 米村優子】

ハノーファーのスタッフは11月8日~12日の日程で来水。
トップチームのトレーニングや最終節のホーム清水戦の視察、アカデミーコーチを対象とした指導者講習も実施しています。

【写真 米村優子】

◯質疑応答(敬称略)

Q.本日の教室ではどんな狙いを持って指導していましたか?
アーネ「重要であるのは、一つのプレーをした後に速い切り替えをすること。一つひとつのアクションを継続する大切さ、楽しみながらやることや競い合うことも重視した内容です」
ローランド「一対一のデュエルに勝ちたいという気持ちを意識させること。2対2のシチュエーションなので、ドリブルで仕掛けるのか、味方にパスを出すのかという判断をすること。その2つをテーマにしました」

Q.スクール生の印象は?
アーネ「子どもたちがすごく楽しそうにやってくれているのを感じました。子どもたちが何をしなければならないのか、びっくりする程、早く理解して取り組んでくれました。技術的には始めたばかりの子がいることもすぐ気付きましたが、すごく上手な子が多くいた印象です。技術の差がある中でも、みんながお互いに助け合うプレーをしていました。今日ここに来ていた子達は親に連れて来られたのではなく、自分で来たくてサッカーを我々と一緒にしたくて来てくれていたように感じます。個人的には女の子が入ってくれていることにすごく嬉しく思います」

Q.トップチームやアカデミーの視察をした中で、どのような印象を受けましたか?
ローランド「社長、GM、アカデミー、トップチームのスタッフも含めて、どこに行っても水戸の関係者に温かく迎え入れて貰えたことが印象的です。アカデミーの活動に入ってやっていましたが、クラブ全体が地域の子どもたちに対してサッカーを伝え広げようと努力しているのを感じました。笠間のスクールでは試合2日前なのにトップチームの選手が来て、子どもたちと練習をする姿がありました。アカデミーのコーチだけが子どもたちに指導するのではなく、トップも含めてサッカーを教えようという姿勢を見られたのが印象的でした」
アーネ「徳島県とドイツ・ニーダーザクセン州が友好交流提携をしているため、私達は水戸に来る前に徳島にいました。徳島ヴォルティスの選手の練習や試合も見て、日本人選手は非常に技術が高い印象です。狭いエリアでも打開できる技術の高さを改めて見て感じました」

Q.水戸で得たものをハノーファーでどのように還元していきたいですか?
アーネ「どのカテゴリーでも高い技術を持っている。アカデミーのコーチ達は、常に学びに対して積極的でオープン。そういう姿勢を見て、自分達も色々と学びを続けなければならないと刺激を受けました」

Q.水戸が強いクラブになるために必要なことは?
ローランド「一生懸命に働く水戸のスタッフの姿を見ました。そういうスタッフがいることはクラブが成長していく上で欠かせない存在だと思います。もちろんその中で重要になってくるのは、アカデミーの拠点、インフラをしっかり持つこと。それは、とても大事なことです。水戸がヨーロッパとコンタクトを持って選手を海外に送り出すスタートをしていることは素晴らしいと思います。これを続けていくことが大事だと思います。今トップチームとU18チームの差が大きく開いている。U18がアカデミーのトップリーグに上がっていく必要があると思いますし、そうすることでアカデミーからトップチームにもっとたくさん上がって来られるように差を埋める作業もすごく大事です」

Q.ハノーファーU23で活躍中の松田隼風選手の印象は?
アーネ「非常に技術が高い印象です。ドイツ語ができないにも関わらず、ドイツに来てスタメンのポジションを確保したのは非常に評価できます。我々のクラブに来てくれていることをすごく嬉しく思っていますし、ナイスガイだと感じています」
ローランド「彼はすごく早くハノーファーの環境に慣れたと感じます。それが自分のパフォーマンスを少しでも早く出せるようになった要因だと見ています」

Q.J2リーグがオフシーズンの間、ハノーファーに訪れる水戸サポーターもいると思います。ハノーファーのPRをお願いします。
アーネ「ハノーファーはすごくきれいな街です。街の中心にスタジアムがあります。ハノーファーは過去にたくさんの日本人選手がプレーしたクラブ。今は室屋成選手がいますので、是非、観戦しに来て下さい」
ローランド「ドイツのソーセージは間違いない味です。ハノーファーの地ビールもすごく美味しいですよ。水戸のサポーターがスタジアムに足を運んでくれたら嬉しいです」

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