デイリーホーリーホック

「水戸ユースが大量7得点で鹿島高校に勝利! 2種登録の内田選手が2試合連続ハットトリックでリーグ歴代得点ランキング2位浮上」【育成NOW】※無料記事

【写真 米村優子】

高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2022 IFAリーグ1部14節・鹿島高校戦が9月23日、水戸市河和田町のツインフィールド人工芝で開かれ、水戸ユースは多彩なパターンで大量7得点を奪って圧勝。
6月の天皇杯・山口戦にも出場した2種登録中の内田優晟選手は、2試合連続ハットトリックの活躍を見せ、同リーグ歴代2位となる23得点目をマークしました。

【写真 米村優子】

参加10チーム全18節で開催されているIFAリーグ1部もいよいよ終盤戦。
今年はJリーグと同様、コロナウィルスの影響で延期試合が続出する異例のシーズンを迎えています。
水戸ユースもその例外ではなく、まだ2試合が未消化。
今節を含む残り7節で、上位の鹿島学園B、明秀日立A、鹿島アントラーズBと優勝争いを繰り広げています。

【写真 米村優子】

コロナの影響で万全の状態とは言えない水戸ユースでしたが、鹿島高校戦は獰猛でアグレッシブな“This is 水戸ホーリーホック”の攻撃展開で圧倒しました。
前半3分、コーナーキックのチャンスを9月に2種登録された市村慎之介選手がヘッドで合わせて先制点をもぎ取って、立ち上がりから流れを引き寄せます。
しかしその後、細かなミスが度重なり、停滞した時間が継続。
得点の気配が徐々に高まると、34分に市村選手がミドルシュートを突き刺し2点目を挙げます。
本来の連動性を取り戻した水戸は、サイド、中央と波状攻撃で鹿島高校を翻弄。攻勢を強めて、前半を折り返します。

【写真 米村優子】

続く後半は、注目のエースストライカー・内田優晟選手が真価を発揮。記録ずくめのゴールラッシュとなりました。
前節の水戸葵陵A戦でハットトリックを獲得し、今季20得点目と大台に乗っていた内田選手。
9分にヘッドで得点し、2019年に水戸ユースの松本康平選手が打ち立てたリーグ歴代2位・21得点と並びます。
その勢いは止まらず、20分はカウンターで再びヘッドで合わせると、40分には速攻でGKとの1対1を冷静に押し込み、2試合連続ハットトリックを達成。
今節で累計23得点を獲得し、同リーグ歴代2位となる快挙を成し遂げました。
ちなみに同リーグ歴代最高記録は、日本代表の上田綺世選手が2016年の鹿島学園高校在学中に樹立した年間33点。
あと6試合で、現日本代表ストライカーの記録を更新できるか。内田選手の得点記録にも目が離せません。

【写真 米村優子】

そして、水戸ユースは動きの量で相手を上回り、球際も質の違いを見せながら、素早いパスサッカーを展開。
後半終盤にセットプレーで危ない場面も少々ありましたが、統率のとれた守備でゴールを死守。
後半17分の混戦を2種登録中の上野山叶夢選手の強烈なミドルシュートが突き刺し、後半24分には吉井拓真選手のゴールもあり、7-0の完封勝利となりました。

【写真 米村優子】

昨シーズンは最終節での屈辱の敗戦で、プリンス昇格を逃した水戸ユース。
今年は田中吟侍選手、内田優晟選手、市村慎之介選手、辻井恭平選手、上野山叶夢選手、高松大智選手の6選手が2種登録され、例年よりも多く選手がトップ昇格に向けて全力アピール中です。
強力な得点力を武器に、リーグ制覇、参入戦勝利という最高の結果を目指す水戸ユースの挑戦は佳境を迎えています。

【写真 米村優子】

コメント

【写真 米村優子】


○樹森大介監督

Q.大量得点で圧勝しました。
「今日はチームとして本当に良い内容で、ゴールに迫るシーンが多かったので、相手も対応するのが相当困ったんじゃないのかなって思っています。前半の入りで点が取れましたがそれ以降、得点のチャンス少なかったのでどうなるかなと思ったんですけれど、強度のところで言うと前半から変わらず継続できました。後半に相手の足が止まったときに、こっちが止まらずに迫力を持った攻撃ができたところで、点が多く入ったかなと思っています」

Q.セットプレー、流れの中で崩したりと、バリエーション豊かな攻撃によって得点シーンが生まれました。
「あまりセットプレーで得点できなかったのですが、前節も3得点ぐらいコーナーから点が生まれて、セットプレーで自信を掴んでくれています。あとは攻撃のアタッカー陣は結構強烈なのが揃っているので、ストロングなところがすごく出たんじゃないのかなと思います」

Q.今年はユースから6人も2種登録をされる異例のシーズンとなっています。その選手達も躍動した試合でした。
「今日も5人ぐらい出ていますが、責任感だとか、やらなくちゃいけないっていう思いも彼らなりにあるはず。そういった良い意味でこうやってリーグ戦の中でも責任や自信を持ってプレーしてくれたんじゃないのかなと思います。内田とか前半は全然良くなかったんすけどね。ハーフタイムに『存在感がない』と伝えると、彼はそこで奮起してくれてしっかりやってくれたので良かったと思います」

Q.内田選手2試合連続のハットトリックを達成しました。2019年の水戸ユース松本康平選手のシーズン21得点を抜いて単独2位となり、日本代表の上田綺世選手が2016年に出した年間33得点に迫ってきました。
「彼は上(トップチーム)で通用するように、上田綺世選手の記録は相当意識している。得点王争いの選手はほとんどプロになっているじゃないですか?得点に関しては今年スタートの時点から設定して、結果にこだわっています。それで継続してモチベーションを続けられていいんじゃないのかなと思います。県リーグでははっきり言って、このぐらいできて当たり前。彼は1年生のときから試合に出て、2年ぐらいからトップに関わって色々なチャンスをもらっている。なんとなくやれている雰囲気あるとは思いますが、ちょっとおおらかな男なので、いざトップの選手になったときにはもっと選手とライバルとして負けない気持ち、競争意識を持たないといけない。今のレベルでプロに通用する訳ではないので、あとはトップってなったときにサッカーに集中して、どれだけ成長できるか。プロ1年間の成長率って多分相当大きい。そこでどれだけトップの試合に出られる選手に迫れるか。トレーニングの取り組む姿勢とか相当大事になってくる。そこがポイントとなると思います。フィジカルはトップの選手と遜色ないので、可能性はあると感じています。プレーや判断のスピードは慣れるとは思いますが、それを上回るパフォーマンスができるかは相当課題。しかし対応できればチャンスを貰えるのではないかと思っています」

Q.5月末に内田選手と田中吟侍選手が2種登録されましたが、その後9月に登録された市村慎之介選手、辻井恭平選手らも結果を出しました。
「特に辻井は夏以降グンと伸びてきて、DFながらリーダーシップも責任感もプレーに表現できて、二種登録っていうのはカンフル剤になっています。トップの練習でも遜色なくやって自信を深めたのもあると思います。市村に関しては、本当に真面目な男。地道にやって勝ち取った2種登録です。ジュニアユース出身なので、アカデミーのスタッフ陣も相当喜んでいますし、いい意味でしっかりやってくれている。見本となるような人間性を持っていますし、非常に嬉しく思っています」

Q.リーグも終盤戦になってきました。昇格に向けての意気込みをお願いします。
「いつもギリギリのところでプリンス昇格を逃しているので、次のユースの選手のためにもクラブを背負ってしっかり戦って、一戦一戦成長しながら勝ちをもぎ取って昇格をしたいです」

【写真 米村優子】


○市村慎之介選手

Q.見事な勝利でした。試合を振り返って下さい。
「毎試合、絶対勝とうっていう強い気持ちを持って入った中で、立ち上がりはすごく良い形で得点できましたが、途中から自分たちのミスが続いて流れが悪くなってしまいました。そこは改善しなきゃいけないと思いました」

Q.前半に2得点を挙げて、チームに勢いをもたらしました。
「監督からも言われているのですが、今年はセットプレーの得点数が少ないのが課題でした。それで入り方をいつもちょっと変えて、キッカーを信じて自分が外に回る感じで入ったら、良いボールが来て上手く当てるだけでした。キッカーに感謝です。ヘディングが得意なので、いい所に来ました。2点目に関しては、自分はゴール前が得意でファースタッチを意識しています。ファーストタッチが逆をついていいところに来たんで、そこで決まったかなって思いました。シュートも力抜けていいかんじで振れたので良かったです」

Q.後半もチャンスを決め切り、複数得点が生まれました。
「後半は前の選手がすごくアグレッシブに動いてくれて、点も取るところを取ってくれた。ですので、絶対に失点しないぞと隣のボランチとセンターバックと話して、後は前に任せたって感じでしたね」

Q.2種登録選手となり、トップ昇格に向けて全力アピールしている最中だと思います。意気込みを聞かせて下さい。
「アピールし続ければ振り向いて貰いないと思いますが、まずは目の前の一試合一試合を勝って、IFAで優勝するっていうのが一番良いと思います。それやっていたら自ずとトップ昇格が近づいてくると思っています。練習参加もしていますが、みんな上手くて自分を出せない状況が続いているんですけれど、自分のゴール前の武器は見せていきたいなって思います」

Q.自身のプレーの特徴、強みを教えてください。
「最近はボランチをやっていますが、一番の得意なのはトップ下。フォワードの1個下で、間繋ぐ役割に自信があります。ゴール前でしっかりかわしたり、いなしたりしてチャンスを作っていくっていうタイプ。もっと攻撃面で存在感をアピールしていきたいです。まだリーグ戦で4得点しかできていないので、決定力がまだまだ課題です」

Q.プリンス昇格に向けての意気込みを。
「チームは連勝を続けていて、いい位置にいる中で、下のチームに取りこぼせないし、上のチームには勝っていかなきゃいけない。その中で一体感というのを大事にしていきたいです」

【写真 米村優子】


○内田優晟選手
Q.大量得点での勝利でした。
「自分自身、前半はボールを蹴る回数も少なくて、全然チャンスを作れませんでした。ハーフタイムになってからどうチャンス、得点を多く作るかってところを話し合って、そしたら後半ボールに関わる回数も増えましたし、前に良いボールが3本飛んできてくれたんで、決めるだけっていう感じ試合でした。前半は全体的にもっと得点できるチャンスがあり、参入戦に出るとしたら、決め切るところが大事になる。チームで質を高めていきたいと思いました。」

Q.ハーフタイムは具体的にどのような修正を加えたのですか?
「サイドバックに入ったときに、中のスペースが空いてるけどそこに入ってないっていうのは監督に言われました。そこに積極的に落ちて受けたり、また相手の中盤とDFラインの間に入って味方の中盤からボールを受けて、サイドに散らしてまた中に入ったりという修正をしたら上手くいきました」

Q.得点シーンを振り返って下さい。
「1点目は、右サイドの(上野山)叶夢が上げてくれるだろうと信じて待ってて、そしたらいいボールが来てくれて触るだけでした。2点目はファーでどフリーだったので、しっかり呼び込んだ。ちょっと高いかなと思ったんですけれど、それが逆に自分のベストでしっかり強いヘディングができた。良かったなと思います。3得点目はパスが長いのかなと思ったのと、相手のキーパーも迷っていたと感じました。でも信じて全力で走ろうと思って走ったら、たまたまいい感じになって、落ち着いてちょっと触るだけでした。どフリーだったのと、先に2点取って楽しかったので、落ち着いてプレーができました」

Q.これで2試合連続ハットトリックとなり、リーグ歴代得点ランキング2位となる23点目を記録しました。歴代トップ上田綺世選手の33点にあと10点と迫ってきました。
「IFAが始まる前から上田綺世選手の33点を越さなければいけないと思っていました。2試合ハットトリックしましたけど、3点以上取るの当たり前という考えでやっています。できればもうちょっと欲しかったっていうのが正直なところです」

Q.現在の課題を教えてください。
「3点取ってはいるけれども、他の決め切るところでもって決めていればというのが、ここ数試合ずっと続いている。決定力100%くらいのレベルには持っていきたいです」

Q.サポーターの皆さんにメッセージをお願いします。
「まずは個人としてIFA歴代得点33点を越えて、チームでもしっかり優勝して参入戦でも勝って、久しぶりにプリンスの舞台に戻って戻りたいと思っています。応援よろしくお願いします」

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