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灼熱の群馬。初のクラセンベスト4も決勝は遠く……2022クラブユースサッカー選手権準決勝・セレッソ大阪U-18戦マッチレビュー

▼パワープレーも実らず、CKの1点に泣く

ハーフタイムに横浜FCは須田に代えて守屋颯人、セレッソも30番の緒方夏暉から9番の金本毅騎へとFWを入れ替えた。守屋はファーストタッチで清水からのパスをディフェンダーを背負いながら収めて井上に展開し、攻撃のリズムを作った。50分、横浜FCはオーバーラップした中村琉聖が守屋に向けてクロスを送るが、直前にセレッソCB白濱聡二郎、身長192cmの長い足にカットされた。

しかし前半と同じように、再び横浜FCの足が止まる。プレッシャーに行けないままボールを回され、51分には一発のロングパスでペナルティーエリア内に入られ、正面から金本にシュートを打たれるが枠を外れて助かった。しかしまたボールを前に運べず後ろで回す中で、相対的に勢いを増したセレッソのプレスにCBのキャプテン池谷銀姿郎がボールを失う。シュートは西方がセーブしたが、54分にそのCKを白濱に決められ、横浜FCはこの大会で初めて相手に先制を許した。

失点の瞬間。ニアに走り込んだ192cmの白濱聡二郎に中村琉聖がつききれず。飛んだコースも良かった

 

ベンチから口々に「ギン! やってくれ!!」と声が飛ぶ。キャプテンへの信頼は微塵も揺らいでいない。西方も、「まだ足りねえぞ。もっと全員で!」とベンチを煽った。しかし、その後も流れは変わらなかった。

金子颯太に代えて高橋友矢がピッチに立ったが、中盤の強度は戻らず苦しい時間が続いた。ようやく68分、井上のスルーパスから守屋がシュートを放つがGKに阻まれ、こぼれ球を拾った永田のパスから清水がシュートを狙うがブロックされた。池谷も攻撃参加から裏へ飛び出す積極性を見せたが、パスは合わなかった。

仲間を鼓舞するキャプテン、池谷銀姿郎

 

小野監督は76分、林賢吾ら3枚の交代カードを切る。すると右サイドのスローインから、その林が惜しいシュートを放ち、CKを得た。ベンチはショーンと池谷に「そのまま前線に残れ」と指示。パワープレーだ。しかしそれも実らず(どころか手薄な守備を突かれ西方が相手の決定機を何度も止める始末だった)、アディショナルタイムの6分が過ぎる。80+6分、高塩のクロスが守屋の頭をとらえたが、わずかにクロスバーの上。守屋は頭から芝生に突っ伏した。

セレッソGKのパントキックと同時に、試合終了の笛。横浜FCユースの今季のクラセンはベスト4進出で幕を閉じた。

メインスタンドに深々と頭を下げる横浜FCユースイレブン

(写真と文/芥川和久)

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