「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「勇蔵には甘えるなと言ってやりたい。あいつの力はこんなものじゃない」(嘉悦前社長) ・・・2016年、ハマの若大将の生き様は? [栗原勇蔵の契約更新について] 藤井雅彦

6日、横浜F・マリノスは栗原勇蔵(32)、三門雄大(29)、天野純(24)、喜田拓也(21)の4選手との契約更新を発表した。11月下旬に、主にC契約の若手選手との契約更新を発表して以来、主力クラスでは初めての発表となった。

4選手のなかで最注目は、2015年になって出場機会が激減した栗原だろう。自身が出席した1度目の契約更改交渉後には「(来季について)ちょっと考えたいと思っているところ」と移籍の可能性もほのめかしていた。2度目以降の交渉は仲介人を中心に行われたが、マリノス一筋の男の決断に注目が集まっていた。

ベンチを温める機会の多かった昨夏には、清水エスパルスから獲得オファーが届いた。中澤佑二とファビオのレギュラーコンビに割って入るのは難しく、5月以降は3番手に甘んじる状況が長く続いていた。日本屈指のCBがくすぶっている事態に、他チームが黙っているはずがない。とはいえ高額な年俸がネックで、実際に獲得を検討できるクラブは限られる。残留争いで背に腹は代えられない状況の清水は、そのうちのひとつだったと言える。

移籍すれば出場機会は確保されていたはずだが、総合的な判断で残留の道を選んだ。今オフについても、栗原が積極的に移籍を志願すれば、手を挙げるクラブはあったはず。複数年契約を残している高額年俸の選手にわざわざ自発的なオファーを出せるクラブは、現在のJリーグではほとんどないのが実状だ。

本人が悩んでいたのは間違いない。エリク・モンバエルツ監督の続投が決まっており、中澤とファビオは引き続きレギュラー候補だろう。そのなかで自身はどうすれば定位置を奪取できるのか。指揮官の構想の中で、どのような位置付けなのか。交渉の席でフロントから厳しい言葉と現実を突きつけられたことも、悩みと無関係ではなかった。

 

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tags: 嘉悦朗 栗原勇蔵

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