「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

交渉の大トリに登場した栗原勇蔵、その胸中 [契約更改交渉について] 藤井雅彦

マリノスはシーズン終了後の26日から契約更改交渉をスタートさせた。対象はA契約の選手たちで、1度目の交渉でサインをする選手はいなかった。これは交渉が難航しているわけではなく毎年の慣例で「まだ1回目なので話を聞きに来ました」(兵藤慎剛)と穏やかに話す選手がいれば、選手会長の中町公祐のように「プレゼンしました」と自らの意志や意見を伝えた選手もいる。平たく言えば意見交換の場であり、グラウンドの外でフロントと選手が接する貴重な機会なのである。条件面については2回目以降の交渉で話し合われるケースが多い。

今オフの交渉の焦点の一つに、マリノスタウンからの移転にともなう環境面の説明が挙げられる。選手たちは新しい練習グラウンド周辺の環境について詳細を知りたい。グラウンドは主に日産フィールド小机を使用すると決まっているものの、クラブハウスとしての機能がどれだけ保たれるか不透明な部分は多い。食堂はあるのか、リラックスルームはあるのか、などなど。選手側がすべてを把握し、理解しているわけではなく、フロント側は現時点で細部を調整している部分もあるという。

もちろん選手たちもクラブの経営状態や事情には理解を示している。プライマリーからトリコロール一筋の榎本哲也は「クラブに従うだけ」と静観する構えを示している。その一方で中澤佑二のように「優勝やタイトルを狙うのであれば、選手の不安をゼロに近づける努力をしてほしい。移転は大きな決断だったけど、選手はその中でも結果を求められる。優勝するクラブには最低限の環境が整っているはず」という主張もあって当然だ。この件については引き続きフロントと選手の双方が良い着地点を探っていくしかないだろう。

そんな中、比較的順調に進んだ交渉の大トリに登場した栗原勇蔵の言動に注目が集まった。1日の15時過ぎから席に着いた栗原は約1時間の交渉を行い、その後集まった報道陣の囲み取材に応対した。今シーズンは中澤佑二とファビオがCBコンビの主力となり、出場機会が激減。リーグ戦出場は11試合585分にとどまった。

 

下バナー

(残り 539文字/全文: 1403文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

tags: 栗原勇蔵

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ