「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「僕は常に自信を持っている男だから、ACLの決勝にも自信を持って臨む。決勝の2試合で僕が神懸っていたら、F・マリノスは必ず優勝してACLタイトルを掴み取っているだろう」 [エウベル選手インタビュー]

【エウベル選手インタビュー】

実施日:4月29日(月・祝)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

 

 

 

背番号7がキレキレのドリブルで相手を蹂躙し、トリコロールの攻撃をけん引する。

ジュビロ磐田戦で負傷した左肘の状態は気がかりだが、2021年の加入からコンスタントに試合に出続けてきた男である。

エウベルは痛みに耐え、歯を食い縛ってでもピッチに立ち、チームのために身を捧げるだろう。

ヨコハマ・エクスプレスでは負傷する磐田戦前に、ACL決勝へ向けての単独インタビューを実施していた。

攻撃の核となるブラジル人アタッカーが、タイトル獲得への熱き想いを余すことなく語ってくれた。

 

 

 

 

とにかく祈るしかなかった。味方が点を決めれば全力で喜ぶし、失点すれば本気で悔しい。僕も一緒に戦っていました。

 

――エウベル選手は2021年の加入以降、ほとんど怪我をせずフル稼働してきました。それが4月3日の川崎フロンターレ戦で負傷し、リーグ戦3試合とACL準決勝1stレグの合計4試合を欠場。どのような気持ちでチームの戦いぶりをご覧になっていましたか?

「たしかに僕はF・マリノスに加入してから大きな怪我をしていません。今回も怪我をした当初はそれほど長引かない怪我だと思っていただけに、数試合に出場できず、チームの手助けをできないのは悔しかったし、すごく悲しかった。試合はいつも緊張しながら見ていたよ(笑)。本当にドキドキしながら仲間の戦いを見守っていた。スタジアムにいてもスタンドからでは何も手助けができなくて、とにかく祈るしかなかった。味方が点を決めれば全力で喜ぶし、失点すれば本気で悔しい。ピッチの中にはいられなかったけれど、僕も一緒に戦っていました」

 

 

 

 

――ACL準決勝2ndレグで復帰すると、さすがのプレーで得点にも絡みました。負傷した左足首の状態は?

「3週間くらい離脱してしまったけれど、この怪我は以前にも経験があります。復帰してもしばらく痛みが続くことは分かっていたし、正直に言えばプレーしていて痛みや気になる時はある。ある日突然痛みが消えることはないので、痛みと付き合いながらやっていくしかない。そこからプレータイムを徐々に延ばすこともできているし、怪我をした患部の状態も少しずつ良くなっている。痛みが消えればもっと気持ち良くプレーできると思います」

 

 

 

 

――どのような負傷だったのですか?

「ボールを受ける時に相手を背負っている状態で、ファーストタッチでターンしようとした際の負傷でした。歯がゆかったのは、自分で怪我をしたわけではなく接触プレーだったこと。残念な怪我と離脱になってしまったけれど、これはサッカーをやっていれば起こりうること。痛みが消えて万全の状態で決勝に臨めたら最高だと思う」

 

――プロサッカー選手として試合に出続ける、休まない意義をどのように考えていますか?

「監督やチームの仲間からの信頼と幸せを感じます。僕が復帰した準決勝2ndレグは苦しい試合だったけれど、ファンやサポーターの後押しもあって勝利できた。歴史に残る試合になったと思うし、そういった重要な試合に間に合うようにすることが自分にとっての大きなモチベーションでした。万全とは言えない状態でしたが、監督がすぐに先発で使ってくれたことにも信頼を感じて嬉しかったです」

 

 

 

 

 

僕は常に自信を持っている男だから、この試合にも自信を持って臨む。決勝の2試合で僕が神懸っていたら、F・マリノスは必ず優勝してACLタイトルを掴み取っているだろう

 

――いよいよACL決勝です。エウベル選手にとってタイトルの意味とは?

「タイトルを手にすることによってクラブの歴史に名を残せる。そこに重要な意味があると思います。リーグ戦でもカップ戦でも、すべてのタイトルは一番強いチームの証明です。特にACLは、アジアで一番強いチームという称号がつく。F・マリノスはまだこの称号を得ていないので、歴史に名を残すことができる。自分だけでなく他の外国籍選手も日本人選手も、このタイトルを獲ればみんなの名前が歴史に残ります」

 

 

 

 

――アンデルソン・ロペス選手は「F・マリノスのような偉大なクラブがACLのタイトルを獲っていないのはおかしい」と話していました。外国籍選手たちの言葉からは『タイトルを獲って歴史に名前を刻みたい』という思いが特に強く感じられます。

「F・マリノスは伝統ある偉大なクラブです。このクラブには過去にも素晴らしい選手がたくさん加入して、そして去っていったと思う。その過程で、タイトルを獲った選手もいれば、獲れなかった選手もいます。そして、タイトルを獲った選手は歴史に名を残した。僕は2022年にリーグタイトルをもたらして名を残せたけれど、ACLタイトルにはまだ貢献できていません。

 

 

 

 

 

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