「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

(ボランチや左サイドバックで起用は) 「まずは『やってみるものだな』という感覚でした。新たな気付きに出会えたのは大きな財産です」 [小池龍太インタビュー]

【小池龍太選手インタビュー】

実施日:3月23日(水)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

小池龍太。

序盤戦のMVP候補のひとりだろう。

右サイドバック、左サイドバック、さらにはボランチでもプレーし、ますます存在感を高めている。

でも彼はきっぱり言い切った。

「僕はどのポジションでプレーするかよりも、周りに頼られる選手になることに価値を感じています」

note』で自身が語っているように、歩んできた過酷な道のりがプレースタイルに凝縮されている。

序盤戦を終えて、勝負の4月シリーズへ。

背番号25の言葉を噛みしめよう。

 

 

出場機会をつかみ、結果を残せたのは彼らの頑張りで、それがF・マリノスの強さ

 

――最初は、チームの中心選手という立ち位置の小池龍太選手に質問です。ここまで7試合を終えて3勝3分1敗という成績ですが、決して一筋縄ではいかない序盤戦だったと思います。どのように振り返りますか?

「たしかにチームとして乗り越えなければならない課題が多かった時期でした。キャンプ中からコロナ陽性などの影響もあり、全員が揃ってトレーニングできる時間をなかなか確保できませんでした。ですが選手だけでなくスタッフも含めて、チーム全員で1日も早くトレーニングを再開させる、開幕に向けて準備する、という気持ちで助け合うことができました。結果的にチームとして大きく成長したと思いますし、サッカー以外の部分で団結力が高まったと感じています」

 

©Y.F.M

 

――困難をネガティブに考えるだけでなく、ポジティブにとらえる発想ですね。

「選手が実際の行動に移せる部分は少なかったかもしれません。でもチームのことを考えて動いてくれているスタッフの姿を見て、自分たちは開幕したらサッカーで結果を残さなければいけないという責任感を強くしました。開幕してからもケガ人や出場停止、そして再びコロナ陽性という試練が訪れましたが、スタッフとの信頼関係があったからこそ努力し続けて乗り越えることができたと思います」

 

――まさに総力戦で乗り切った序盤戦で、在籍年数や年齢に関係なくほとんどの選手が戦力でした。中心選手のひとりとして、彼らの活躍をどのように感じていましたか?

「連戦ということもあって準備時間があまりない中で出場機会がやってきた選手もいたと思います。そういった状況でもしっかりプレーして自分を表現できたのは彼らの頑張りですし、チームメイトとして誇らしい。その努力は僕から見えている部分だけではないと思っていて、だからこそ自信につなげてほしいです」

 

――状況や立場、年齢にかかわらず全員が100%の力で練習に取り組み、チームのためにプレーする。横浜F・マリノスの強い理由が垣間見えた気がします。

「チームとして苦しい状況でもやるべきことは変わりません。そして出場機会をつかみ、結果を残せたのは彼らの頑張りで、それがF・マリノスの強さです。今後、彼らはもっと伸びていくと思いますし、僕自身も楽しみです。ただ、欲を言えばさらに活躍してレギュラーの座を勝ち取るという気迫を出してほしい」

 

 

 

――能力を考えれば、もっとできるという期待がある?

「僕たちは日々一緒にトレーニングしています。だから彼らが能力を持っていて、しっかりプレーできることは分かっていました。本人たちも試合に出場することで評価されることを体感できたと思うので、あとはそれを続けていけるかどうかがこの世界で生きていけるかの分かれ道です」

 

――厳しい世界を生き抜いてきた小池龍太選手だからこその言葉に聞こえます。

「僕は18歳からチャンスをつかみ続けてきてここまで来た人間なので、その大切さを分かっているつもりです。プロとして生き残るためには『レギュラーを張り続けるために努力する』というアドバイスしかできません。彼らの努力を認めた上で、大切なのはそれを表現できる状況を自分で作ること。僕としては対ライバルという関係でもありますが、ひとりのプロサッカー選手としてやるべきは同じなので、切磋琢磨してF・マリノスを強くしていきたいという思いです」

 

 

 

どのポジションでプレーするかよりも、周りに頼られる選手になることに価値を感じている

 

――厳しい台所事情の中で、小池龍太選手は右サイドバック以外のポジションで起用される試合もありました。

 

 

 

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