「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マリノスに加入してから酸いも甘いも経験している松原が真剣な表情で言う。 「どこかで自分たちの力で打開したい。何とかしたいとみんなが思っている」 [J2節 福岡戦レビュー]

 

流れや展開は間違いなく勝ちゲームだった

 

内容と結果がなかなか比例しないのは、サッカーあるあるかもしれない。東京ヴェルディ戦のパフォーマンスは決して褒められるものではなかったが、終盤になってから一気呵成の2得点で劇的な逆転勝利を飾った。シーズン開幕だから普段以上に貴重な“勢い”を得ることにも成功した。

 

 

一方で、昨日のアビスパ福岡戦は「前回のヴェルディ戦よりもスピーディにボールを回せていた」(松原健)。可変気味で守る相手に対して、序盤から効果的なビルドアップで前進しながら、相手陣内に入ってからも効率よくゴールに迫っていく。

 

 

5分、この試合最初の決定機を作り出す。ビルドアップからピッチ中央付近でボールを受けた山根陸はワンタッチで右の松原へ。すかさず右前に張り出すヤン・マテウスにボールが渡ると、今度は山根がハーフスペースへスプリント。ヤンからの丁寧なパスをダイレクトで折り返し、エウベルが頭で狙う。

 

 

 

インサイドハーフとして攻撃を活性化させた背番号28は、淡々とした口調ながらも攻撃面での手ごたえを語った。

「前半はチームとしてゴールに迫る形も多かった。ヴェルディ戦を踏まえて考えたら、言い運び方をできていた場面も多かった。(松原)健くんと自分とヤンの右サイドが良い距離感でボールを動かせたし、前回よりはいいシーンは多かったのかなと。エリア内へのランニングを思い切ってやろうと思っていた」

 

 

つづく17分にエウベルのミドルシュートがバーを叩き、37分には山根が相手エリア内で倒されて、あわやPKというシーンを作り出す。二度訪れたピンチもGKポープ・ウィリアムのファインセーブでしのぎ、流れや展開は間違いなく勝ちゲームだった。

 

 

 

 

スクランブル布陣は奏功せず

 

しかし、である。

試合を優位に進めながらも前半をスコアレスで終えてしまうと、相手に勝機が訪れるのもサッカーの常。福岡にしてみれば守勢に回る時間が多くなるのは試合前から織り込み済みだろう。その中で、どれだけ我慢と辛抱できるかが勝敗の分かれ目で、やるべきことをやったから得られた先制点だった。

 

ヨコエク

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