マスカット監督の言葉を借りるならば「結果論」に過ぎない。 最も重要なのは、どの姿勢でサッカーと向き合ったのか [J24節 川崎戦レビュー]
約10秒で決まったカウンターアタック
まさしく電光石火。等々力競技場に一筋の閃光が走り、あっという間にゴールネットが揺れた。
前半終了間際、川崎フロンターレは右サイドの山根視来がオーバーラップからクロスを上げて追加点を狙う。これにセンターバックのエドゥアルドが対応し、難しい体勢ながらもヘディングでクリア。このボールを拾ったエウベルからカウンターが発信した。
すぐさま中央寄りのマルコス・ジュニオールへ預けると、折り返しのパスがワンツーとなって局面を打開。さらに中央寄りの進路を取ることで相手守備陣を無力化。流れるようなラストパスの行き先には仲川輝人がいた。
仲川が走り込んだコースも完璧。戻りながらの対応を余儀なくされた橘田健人に体を入れてブレーキを踏ませ、自身はそのままの勢いで相手GKとの1対1へ。冷静なループシュートがゴールに決まり、約10秒間のカウンターアタックを仕上げた。
お膳立てしたエウベルが「テル(仲川輝人)がいいランニングをしていたのでパスを出した。テルは素晴らしいゴールを決めてくれたし、冷静だなと思った」と褒め称えれば、決めた仲川も「エウベルから来ると思っていたので準備してオフサイドにかからない動き出しをした。アシストが完璧だった」と感謝しきりの様子だった。
細かくパスをつないで相手を崩すのもマリノスの魅力だが、一撃必殺のカウンターも大きな武器。エウベルや仲川のような超高速部隊によるアタックの破壊力はワールドクラスで、マリノスのオフェンスはポゼッションとカウンターの二枚刃であることをあらためて見せつけた。
残り10試合に向けて
しかし試合には勝てなかった。それはマリノスのゴールだけでなく、川崎フロンターレのゴールも素晴らしかったから。1点目は山根のアイディアと技術が光り、決勝点はジェジエウの執念が実を結んだ格好だ。
誰かを戦犯にすることなどできない。チーム全体として1-1の状況でも果敢に攻め、その結果としてボールロストしたかもしれない。背後にスペースを作り、相手に使われたかもしれない。しかし、それらはすべてケヴィン・マスカット監督の言葉を借りるならば「結果論」に過ぎない。
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