「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

表のMOMが實藤友紀なら、裏のMOMは高丘陽平。 総力戦で価値ある勝ち点1を持ち帰ることに成功した[J4節 札幌戦レビュー]

 

實藤がスーパーゴールで敗色濃厚のチームを救う

 

意地と魂の劇的同点ゴールだ。

時計の針はすでに94分を回っていた。後半のアディショナルタイム4分を過ぎ、おそらくこの攻撃が不発に終わった瞬間、主審は試合終了のホイッスル吹いていたはず。

札幌ゴール前に浮いたボールをアクロバティックなシュートで決めたのは實藤友紀だった。

 

 

「どんな形でもいいから足に当てればゴールに入ると思って、感覚に任せてねじ込んだ」

 ストライカー顔負けのゴールを決めて殊勲者は涼しい顔でゴールシーンを振り返った。

小池龍太のクロスをアンデルソン・ロペスが頭に当て、ゴール前のスクランブル状態に持ち込む。落下地点に颯爽と現れた背番号19はやや前方向へ行き過ぎてしまったが、そこからの判断と決断が素晴らしい。体をくるりと反転させ、迷わずバイシクルシュートを選択。見事にミートしたシュートはバーに当たり、アウェイゴール裏へ駆けつけたファン・サポーターの応援に後押しされてゴール内で弾んだ。

實藤が毎年どこかで必ず披露してくれるスペシャルな瞬間で、彼にしかできないゴールが北の大地で炸裂した。

 

 

 

ヨコエク

(残り 1254文字/全文: 1763文字)

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