「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

キューウェル監督の印象は『細かさを持った熱血漢』。 腕を組んで静かに練習を見つめているのは、ウォーミングアップ時だけだ。

 

監督交代でトレーニングの空気が変わるのは、そんなに珍し話ではない。ショック療法と言ったら聞こえが悪いかもしれないが、新監督就任は選手に一定の緊張感をもたらす。それがハリー・キューウェルのような世界的な名手であれば、なおのこと。水沼宏太や宮市亮が「サッカーゲームで使っていました」と冗談交じりに語っていたが、あれだけの実績を持った指導者はそう多くない。

 

 

3シーズンぶりの復帰となったジョン・ハッチンソンヘッドコーチの存在もポジティブに働いている。監督の右腕として練習を仕切り、練習試合やフォーメーション練習では細かく指示を与えていく。もともと指導能力に定評がある人材だったが、前任者との折り合いが今ひとつだった。現状でショーン・オントン不在は大きな穴になっていない。

 

 

「よりアンジェっぽい雰囲気になった。いい緊張感でやれているし、練習と練習の合間のテンポのところもピリッとしている」と話したのは松原健。2年半続いたマスカット体制では、時間が経つにつれて雰囲気が緩くなっていた側面もあり、それは指導者の性質によるところも大きい。ケヴィンは選手により気を遣うタイプで、アンジェのような威厳のあるボスとは違った。

 

 

キューウェル監督の印象はというと、現時点では『細かさを持った熱血漢』。戦術練習で身振り手振りを加えながら率先して指示を与え、負荷の高い対人練習では声を張り上げてムードを盛り上げる。腕を組んで静かに練習を見つめているのは、ウォーミングアップ時だけだ。

 

 

注目度の高い戦術面での落とし込みは道半ばだろう。

 

ヨコエク

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