「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

飯倉らしく豪快に笑い、繊細に言葉を紡いだ。 「ここから『あと何年』とか言うのもね(笑)。自分にとってのラストイヤーになってもおかしくないという気持ちでやっている」

 

堂々のプロ20年目、飯倉大樹37歳の2024年が始まった。

 

 

キャンプ前に痛めた左足首の状態は徐々に回復に向かっている。「あと1週間くらいで合流できると思う。全然焦っていないよ」。落ち着いた口ぶりに、ベテランの余裕と風格が漂う。

プロ選手生命の淵から蘇るようにマリノス復帰を果たした昨季、チーム最年長として縁の下の力持ちの役目を担った。選手としてピッチに立つだけでなく、GK陣のリーダーとしてグループを盛り上げ、俯瞰した視点から言葉を発してチーム全体をプッシュアップする。ひとりの選手にとどまらない仕事の内容と量をこなせたのは、年齢を重ねて落ち着いた立ち居振る舞いができるようになったからだろう。

 

 

2005年のトップチーム昇格時に、今の自分は想像できなかった。

「20年前の自分に言ってやりたい。『おまえ、20年目もプロサッカー選手だぞ』って(笑)。プロ2年目に熊本へ行ったことも、30歳を過ぎてから神戸に行ったことも、全部が勉強。すべてがここにつながっている」

 

 

良い時間ばかりを過ごしたわけではない。試合に出られない時期も、大病を患って病院のベッドで苦しんだ日々もあった。断腸の思いで移籍を決断し、拾ってもらう形で復帰した。すべてが背番号21を形作る栄養になっている。

 

 

だから、この程度の怪我で出遅れても焦りの色はまったく見えない。新監督就任にも泰然自若を貫く。

 

ヨコエク

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