左右のサイドバックはどちらの競争も熾烈。杉本大地はここが踏ん張りどころ。西山大雅と生駒仁はすべての面でレベルアップを [石垣島キャンプ総括(前編)]
9日間に渡って行われた石垣島キャンプを打ち上げた。アンジェ・ポステコグルー監督が就任し、チームは新たなスタイル構築に取り組んでいる。根幹となるのは『ショートパス』である。
トレーニングではパス練習に多くの時間を割いた。キャンプ序盤、「人はボールより速く走ることはできない」と熱弁を振るい、正確なグラウンダーパスを要求。素早くボールを動かすことで相手を走らせる試みだ。スタート地点はディフェンスラインではなくGKで、フィールドプレーヤーに混ざってトレーニングする光景も珍しくない。
ただしエリク・モンバエルツ体制から大きな変化があったわけではなく、クラブが以前から継続路線を強調しているとおり。したがって昨季の主力クラスは引き続きレギュラー争いを演じる可能性が高い。両サイドのアタッカーを除けば主力のほとんどが残留しているため、目指すサッカーは比較的想像しやすい。
システムは「今の時点では4-3-3の形をベースにしている」(ポステコグルー監督)。両サイドアタッカーの役割や選手の性質を考えると4-1-4-1に近いイメージだが、指揮官がはっきり4-3-3と口にしたので、そのように表記していく。
各ポジションの争いを見ていくと、GKユニットは昨季と変わらない4人で構成されている。ただ石垣島では「予定通りのトレーニングはできなかった」と松永成立GKコーチは厳しい表情を見せた。天皇杯決勝前に腹筋を肉離れした飯倉大樹は完全別メニューで過ごし、終盤に入って離脱した鈴木彩貴は左ハムストリング肉離れで全治4週間と診断された。2年目の原田岳も小さな負傷を抱えながらのキャンプだったため、ユニット全体として十分なトレーニングを積むことができていない。宮崎キャンプ突入後は飯倉が全体練習に復帰する予定で、杉本大地はここが踏ん張りどころとなる。実績では及ばないが、順調度では勝る。とにかく質を高めて飯倉とのポジション争いに挑みたい。
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