「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

この時期の退任発表は後任に目処が立っているから ~Jで指揮を執った経験のあるブラジル人監督の名前も (藤井雅彦) -1,603文字-

前回からつづく

今シーズン限りでの退任が決定したとはいえ、これまでに樋口靖洋監督が築き上げたスタイルを継続していくと嘉悦朗社長は宣言している。なんとなく集まっている材料を上手く料理してもらうシェフではなく、過去にいまのマリノスに似た料理を出した実績のある指揮官がターゲットになるのだろう。つまり『ブロックを作って守り、外国籍選手を生かしたカウンター』というスタイルにはならないことを意味する。

ちなみにこの時期の退任発表は、もちろん後任人事に目処が立っているからである。まったく目処が立っていないにも関わらず複数年契約が残っている監督の退任を決めるなどありえない。嫌らしい話をするならば、後任監督との交渉が破談に終わっても、最悪の場合はいまの監督に戻ればよかったのだ。相手と他クラブも絡んでくる交渉なのだから、そういった保険があったとしても何ら不思議ではないし、間違ってもいない。ただ、マリノスはそうしなかった。シーズン終了まで正式発表されることはないだろうが、水面下で交渉は大詰めを迎えている可能性が高い。

後任監督の人選についての嘉悦社長の説明は以下のとおりである。

「(監督の国籍は)問わない。人ありきではないということ。慎重に進めなければいけないし、その覚悟を持って着手しないといけない。時期については、なるべく早いほうがいい。いつまでとは言い切れない」

 一般論が並んでいるように聞こえるが、新監督を選ぶヒントはいくつか隠されているようにも思う。「人ありきではない」という言葉は、過去の監督選考の失敗からくる反省ではないか。つまりは実績ではなく、ネームバリューを重要視したように見えなくもない木村和司登用の件を指す。あるいは国籍についても「問わない」と即答している。久しぶりに外国籍監督が指揮を執る可能性は否定できない。

外国籍というキーワードで想起するもの。マリノスは今年5月にシティ・フットボール・グループ(以下、CFG)と資本を伴ったパートナーシップ契約を締結している。今後、CFGはマリノスのトップチームにおいて編成に関わってくる可能性が高い。編成とは、監督人事も含めた話であり、今回も何らかのアプローチがあっても不思議ではない。具体的には人材推薦などだ。

 

 

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