危険なシーンになりかけても、背番号5が登場してボールを弾き返してチームを救う。素晴らしい存在感を発揮しているエドゥアルド選手のブロック技術に注目 [下平匠の「匠の視点」]
匠の視点 vol.8
構成:藤井 雅彦
OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。
今回は3連勝で首位をひた走る最近のチームを分析し、難しい終盤戦でもしっかりと結果を残せている要因を挙げた。
さらに話はプレーヤーならではの『ブロック論』へ。
自身と相手の能力比較、味方がどのような特徴を持っているのか。
複合的な要素が絡み合う中で、何を選択するのか。
パスでもクロスでもなく、地味ながら堅実さが求められるブロックについて、経験談を交えながらマニアックに展開していく。
好調の要因はズバリ、センターラインの安定
ヨコハマ・エクスプレスをご覧になっているみなさん、こんにちは。南葛SC所属の下平匠です。
9月も半ばに差し掛かって暑さはだんだんと落ち着き、日中もずいぶん過ごしやすくなりましたね。もうすぐ衣替えの季節です。
みなさんは半袖と長袖、どちらが好きですか? 僕は、長袖が好きです。半袖を着ると、なぜか恥ずかしい気持ちになるから(笑)。だから試合の時も、なるべく長袖です。
よくわからない話はこれくらいにしておいて、近況報告からいきましょう。
所属している南葛SCですが、ようやく今シーズンのホーム初勝利を挙げることができました。ホームゲームはいつも1,000人以上のサポーターが来てくれますし、最近はマリノスサポーターの方もたくさん応援に来てくれています。勝利することで、感謝の気持ちを少しだけお返しできたかなと思います。
勤めている会社では、今月から正社員になりました(今までは契約社員でした)。プログラミングもできることが徐々に増えてきて、まだまだ日々勉強ですが、とても楽しく過ごせています!
さて、僕の話はこれくらいにして本題に移りましょう。
最近のマリノスですが、相変わらず強い! 連戦でもしっかり勝ち点を積み上げて首位をキープしていますね!
好調の要因はズバリ、センターラインの安定でしょう。
サッカーに限った話ではなく、センターラインがしっかりしているチームが強いのは団体競技の定説です。木の根っこがしっかりと地面に這っていて、幹が強いからほんのちょっとの衝撃では倒れない。そんなイメージです。
マリノスのセンターバックは、9月に入ってから岩田智輝選手とエドゥアルド選手の組み合わせで固定されています。フィジカルに優れ、スピードもある両選手が、良い距離感でお互いをカバーし合う。すべてにおいてアベレージの高いコンビなので、相手からするとなかなか隙を見つけにくい状況を作れていると思います。
シーズン序盤は連戦や負傷というチーム事情があったのでしょう。そのため、さまざまな組み合わせでなんとかしのいでいた印象もありましたが、終盤戦になってようやく最適解が見つかったような気がします。
それとセンターバックの前方に位置するダブルボランチは、喜田拓也選手と渡辺皓太選手、そして藤田譲瑠チマ選手がローテーションしている状況です。
この3選手は攻撃と守備のバランスがとれていて、同時に機動力も備わっています。マリノスの攻撃は最終ラインとボランチのパス交換から始まりますが、彼らはターンで前を向く判断、ダイレクトでボールをさばいて動き直す判断がとても的確。先日の京都サンガF.C.戦では意図的にロングパスを使っているように見えた場面もありましたし、そのあたりの柔軟性も成長を感じる部分でした。
両センターバックとダブルボランチが安定して高いパフォーマンスを発揮することで、チーム全体に良い効果をもたらしている。具体的には最近3試合でわずか1失点の守備につながっていると思いますし、難しい試合でも勝ち点3を勝ち取れている要因かなと分析しています。
下平匠の『ブロック論』
ここでは京都戦で素晴らしい存在感を発揮していたエドゥアルド選手のブロック技術に注目したいと思います。
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